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- 364 名無しさん@HOME[sage] 2007/05/25(金) 13:52:20
- トメの認知症が発覚して十年。
平均寿命より長生きして旅立っていった。
長男嫁は、更年期障害に苦しみながら、点滴打ちながら介護に頑張ってくれた。
病弱な私(次男嫁)とともに、ふらふらになりながら、交替で面倒を見てきた。
それぞれ夫(トメの息子達)は転勤族で、夫を単身赴任にしたり、
就学中の子どもたちを残してトメを赴任先の田舎まで連れて行ったりと、
この十年、私たちの生活はボロボロだった。
コトメは「私は嫁に出た人間だから無関係」と金も労力も出さなかった。
医師が「トメ子さんは家族が看るべき状態ではない。プロの看護と看視が必要」と、
設備の整った老人専門病院へ入院の手配をしてくれたとき、
「大事なおかあちゃんを乳母捨て山に入れられない!!!」とファビョって拒否した。
見舞いには来なかったが口だけは誰よりも出した。
看病でくたびれきって声もだせないくらいの嫁たちとは対照的に、
「おかあちゃん、なんで死んじゃったの。さびしいよ。ボエェェェェン」
と遺体に取りすがって泣いていたコトメに向かって、長男嫁がボソリ。
「そんなに寂しがるくらいなら、生きてるうちに少しくらい見舞いに来たらよかったのに」
ふだんはおとなしい長男嫁の言葉には重みがあった。
コトメは「でもうちだって姑(別居・健在)がいるし頑張ってるのよ、ふじこふじこ」と、鼻水を垂らしながら言い訳していた。
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