55 名無しさんだよもん sage 2012/01/23(月) 01:57:24.48 ID:heQp0PSS0
前スレ877だけど空気読まずにSS投下していいかい?

SS自体初めてな上にメインは小春っぽくなってしまったけど


「で、どうしてもここじゃなきゃいけないのか、雪菜?」
「? 春希はここじゃダメなのか?」
三人でちょっとした買い物を済ませた後、どうせなら外食でもしようかという話になり雪菜が勧めてきたのは…
「いいじゃないグッディーズで。春希くん、就職してからはあんまり来てないみたいだし」
俺のかつてのバイト先であり、また自他ともに俺そっくりだと言われている後輩がバイトしている店だった。

「いらっしゃいませーって、なんだ、先輩じゃないですか」
「一応客相手にその態度はどうかと思うぞ、杉浦。ただでさえお前は―」
「卒業してから殆ど顔も出さないような人に教わることなんてありません。いいからさっさと席に座って下さい」
「あ、いや、もういいや…」
「ごめんね、杉浦さん」
就職してからご無沙汰していたのは事実なので、反論せずに大人しくついていく事にする。
「でも、いいんですか先輩」
「ん?」
雪菜とかずさが席に着き、俺も座ろうとしたところに杉浦が小声で話しかけてきた。
「小木曽さんと二人ならともかく、別の女の人と一緒だなんて――え?」
そう言ってその雪菜じゃない方に目を向けた途端、杉浦がはっきりとわかりやすく固まる。
(気づいたかな?)
「……小木曽さん、ちょっと先輩借りてもいいですか?」
「うん、いいよー。でも、出来るだけ早く返してね。私だけじゃなく、もう一人の方も寂しがっちゃうから」
「ちょ、雪菜、いきなり何を言って」
杉浦の言いたいことに察しがついた雪菜と、雪菜いきなり雪菜からかわれ慌ててるかずさに見送られ、フロアの奥の方へと連れて行かれる。

「あの人、冬馬かずさじゃないですか!」
「よく気づいたな」
一応変装してるんだけどな。
「なんで一緒にいるんですか!」
「なんでって、ほら、俺が勤めてる出版社が冬馬の本出すことになって、それでその担当が俺で―」
「そんなこと言ってるんじゃありません!」
ここまで一気にまくし立ててくる。
そして少し落ち着いたのか、幾分静かな口調で話を続けてくる。
「…彼女、二年前に小木曽先輩とあんなことになってた原因だったんじゃないですか?」
「原因って…」
「彼女と一緒にいて、先輩達は大丈夫なんですか?」
そう言って、案の定―いやいつもよりお節介な、心配症な瞳で見つめてくる。
そんな彼女に対し俺は
「大丈夫だよ、俺も雪菜も」
彼女を見つめ返し、はっきりとそう答える。
「そう、ですか」
そんな俺に対し、杉浦は一瞬視線を逸らし、今度は笑顔でこちらを見つめてきた。
「二年前にも言いましたが、色々おめでとうございます。頑張ったのが報われて、よかったです」
「いや…」
本当に頑張ったのは、俺じゃない。その台詞を言われるべきなのは―
「っと、それにしても」
ここで杉浦が、その人の方向を向きながら、
「二年前にあれだけいろんな人に迷惑をかけて、私の心を掻き乱して―」
楽しそうにメニュー見て、かずさに対して絡んでいる雪菜を見ながら、呟く。
「その結果が、これですか」
「これ呼ばわりかよ…」
「これ呼ばわりで十分です。ほら、先輩もそろそろ戻ってください。小木曽先輩に怒られますよ?」
「いや、ここに連れてきたのは杉浦じゃないか」
そしてそれを承諾したのは雪菜だ。俺が怒られる理由は無いはずだが
「もう私の用は終わりました。すぐ注文受けに行きますから、さっさと決めといてください」
「全く、わかったよ」
そう言って、なにか釈然としないながらも席に戻る。

そして席に戻った所、なぜかかずさが不機嫌になっていた。
「随分楽しそうに店員の女と話すんだな」
「店員の女って…」
しかもかなり目が座ってらっしゃる
「ごめん春希くん、杉浦さんのことかずさに話しちゃった」
「いやごめんも何も、俺と杉浦は学園でもバイト先でも先輩後輩ってだけで」
「あたしはずっとピアノしかなかったのに、お前はバイト先で制服プレイをしながら後輩とイチャついていたって訳だ」
「何で制服プレイなんて単語知ってるんだよお前」
この五年間日本避けてたんじゃなかったのかよ。
「そういえば私も春希くんのウェイター姿はっきりと見たことはないんだよねぇ。春希くん、なんだかんだ理由つけて私をバイト先から遠ざけるし」
いや、俺がここで主にバイトしてたのは二年前までで、その頃は雪菜とは色々あって―って、雪菜わかっててからかってるな
「これはもう、春希君に制服着て給仕してもらわないといけないよね、かずさ」
「そうだな、制服着てデザート持ってきてもらわないとな」
俺がいない間に二人して打ち合わせしてたな。楽しそうにしてるように見えたのかこれか。
「そもそもバイトじゃないと制服着れないだろ」
「ならバイトすればいいじゃないか」
「俺もう社会人だし!」
「そういえば春希くん、取材中にかずさの面倒みてたんだよね。いいな〜、私にはそんなこと全然してくれなかったのに」
「いや、まあそれは…帰ったらおなじようなことするからそれで勘弁してくれよ」
「それじゃ肝心の制服姿が見れないじゃないか!」
「それじゃ肝心の制服姿がみれないよ!」
「何でそんなに制服にこだわるんだよ…」
バイトの時は普通に着ていた服なのだが、こう期待されるととても恥ずかしい衣装に見えてくるのはなぜだろう…。
「学園祭の時、あたしと雪菜には恥ずかしい格好させておいて、一人だけ私服だったろ! だったらここの制服位着ろよ!」
「五年も前の事いつまで根に持ってるんだよ!」
「…それ、春希君が言っていい台詞じゃないよね」
一瞬、素に戻った雪菜が呟く。さらに、
「小木曽先輩も人のこと言えないと思いますよ」
丁度注文を取りに来た杉浦が、かなり微妙な表情をして立っていた。

「おお、ちょうど良いところに。この面倒なことをいうクレーマー達に店員からはっきり言ってやってくれ」
「クレーマーって、連れてきたのは先輩じゃないですか。…まあ、別に制服きてヘルプに入ってもらっても構いませんよ?」
「おい!?」
「今更先輩が手伝うことを気にする人なんていませんよ」
「いや、俺もう社会人だし、会社バイト禁止だし…」
「大丈夫です。これはあくまで先輩が勝手に手伝うだけですから、バイト代なんて出ません。むしろ衣装代と場所代払って貰いたいくらいです」
元教え子は想像以上に逞しくなっていたらしい。
「それに、少しは私に優しくしてもらえると、私が喜びますよ、先輩?」
そう杉浦が今までにない特上の笑顔で行った台詞は、完全に二人をヒートアップさせてしまい、
結局俺は、閉店までヘルプという名の制服プレイをやらされるハメになった。


64 名無しさんだよもん sage 2012/01/23(月) 02:12:12.00 ID:heQp0PSS0
以上でした。
最初改行大杉とはじかれて焦った;

書いてて思ったのがお互いの呼び方とかまとめてから作った方が良かったってこと
ルート毎でも違ったりするからかなりこんがらがってた

違和感あるところは脳内補正かけて下さい
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