◆coda 雪菜ルート後


 夜、開桜グラフ編集部で仕事中の春希
 今日は早めに帰る予定だったが、予定外の仕事で帰りが遅くなりそうな雰囲気
 ちょっと席を外します、と休憩所へ
 周囲に誰もいないのを確認してから雪菜へと電話する

「もしもし、雪菜?」
『あ、春希くん。もうすぐ着きそう?』
「ごめん、ちょっと急な仕事が入って… もう少しかかりそうなんだ」
『えぇーーっ 久しぶりに早く帰れそうだって言うから待ってたのに…』
「ごめんな、雪菜…」
『もう、春希くんはいつもいつもそうやって… もう… うぅ…』
「ほんとごめんな…」
『…っく… 春希くんの… 春希くんのばかぁ』
「雪菜?なんか様子が変だけど… ひょっとして酔ってる?」
『おい春希!何雪菜を泣かせてんだよふざけるな!』
「か、かずさ!?」

『なんだよ、女二人で飲んでたら悪いかよ』
「別に悪くはないけどさ…」
『久しぶりに会いに来てみたら雪菜の事泣かせやがって… 相変わらずひどいやつだ』
「……面目ない」
『…うぅっ… ふぇ… かずさぁ……』
『あぁ雪菜… おい、こんな雪菜見るの久しぶりだぞ。お前最近何かやったのか?』
「そんなはずは… ないと思うんだけど」
『どうせまた無自覚に何かやらかしたんだろうが』
「ぐっ… だったら最初から聞くなよ…」
『ほら、雪菜になんか言ってやれよ。とりあえず慰めろ』
『…なによもう… 春希くんなんか知らないっ……』
「雪菜… ほんとごめん。いつも仕事の融通きかなくて… 今度きっと埋め合わせするから」
『ううん、仕事じゃしょうがないよ… 私こそわがままいってごめんなさい…
 いつまでたってもこんなんじゃダメだね私…』
「そんな事ないって。わがまま言ってくれて嬉しいよ。それにそういう可愛い雪菜を…愛してるよ」 

『………』
『………』
「雪菜?」
『くそ、ほんとに言いやがった』
『ほらほら、だから言ったでしょ〜』
「なっ!?」
『よくそんな恥ずかしい事を堂々と言えるな…』
『春希くんも言うときは言うんだって〜
 でも今のはちょっと唐突で安っぽい感じがしたかなあ』
『いまいち盛り上がりに欠けたな』
「お、お前ら……」
『かずさもこんな感じでいけば色々言ってもらえるって』
『導入部がなかなか難しいな…』
「仕事終わらせてすぐ行くからな!ちょっと待ってろよ!」
『あはは…ごめんごめん。さっきも言ったけど仕事じゃしょうがないんだし、ゆっくりでいいよ〜』
『フン、お前はもう帰ってくるな。雪菜はあたしがもらってやる』
『きゃっ ちょっとかずさぁ〜』
『雪菜はやわらかくて気持ちいいな… それにいい匂いがする…』
『もう… かずさってば甘えん坊ねぇ』
「〜〜っ!いいからちょっと待ってろよ!じゃあな!」

電話を切って戻ろうとするとそこには… 
呆れ顔の麻里さんと… にやにやする鈴木さんの姿が!

「………聞いてました?」
「いやー北原くんがあんな事言うなんてねぇ」
「くっ」
「大丈夫、安心してよ〜 誰にも言わないからさあ」
「そんな顔で言われても説得力ないですよ…」
「あんまりプライベートな事に突っ込んでやるなよ?
 それで北原、今日はもういいから帰りなさい」
「え、いや そういう訳には…」
「どうせそんなんじゃ仕事に身が入らないだろう?
 後はこっちでなんとかしとくから帰れ」
「わかりました… ありがとうございます。明日また頑張ります」
「うん。お疲れ様」
「…お願いしますよ?鈴木さん」
「ふふふ… わかってるってば」


「まさかあの北原くんがねぇ…」
「くそっ 北原のやつ…… 私もあんな事言われたい!」
「ま、麻里さん!?」

「雪菜、あんな事言ってたけどほんとは凄く嬉しかったんだろ」
「え? う、うん… まあ… えへへ」
「ちぇっ 飲まずにやってやれるか…」


455 名無しさんだよもん sage 2012/01/08(日) 13:43:29.37 ID:uRKgtiPP0
感想やネタをくださる方々、いつもありがとうございます
ただ初心者なのであまり難しいシチュエーションは無理が…
さらなる精進に励みます。雪菜のために
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