……夜の街を走り抜け、タクシーはマンションに到着した。

「ただいま〜」
「……はあっ」

 春希と雪菜は荷物を一通り片付け、テーブルにお茶を入れて小休止した。

「……楽しかったね」
「ああ、楽しかった」

 付属の学園祭でも、バレンタインコンサートでも。
 二人は同じことを言い合っていた。
 でも、今回はそれ以上の満足感が二人を包み込んでいた。

「三人で、やれたね」
「……そうだな」
「……かずさ、楽しかったかな?」
「どうかな。でも、これで良かったと思う」
「……うん」

 春希はそのまま雪菜に近寄り、抱き寄せ、唇を重ねる。
 舌を絡め、唾液を混ぜ合い、喉に流し込む。
 春希はそのまま右手を這わせ、Tシャツの上から胸に触れ、下から掬い上げるようにして揉む。
 雪菜が身を捩るが、春希は力を込めて雪菜を抱き締め、そのままベッドに押し倒す。
 雪菜の上に組み敷き、Tシャツの上から両手で胸を掴み、谷間に顔を埋めて頬擦りする。
 春希の息が荒くなり、雪菜の胸を熱くする。

「……どうしたの?」
「……おかしい、か?」
「……ううん」

 春希は雪菜のTシャツの裾を引き上げ、ブラに包まれた胸を露わにする。
 背中に手を回し、プチッとホックを外す音が雪菜の耳にも届く。
 そしてブラもたくし上げ、雪菜の胸を覆うものはなくなった。
 両手で再び胸を撫で、指で乳首を抓んでクリクリと捏ね、掌で温かさと柔らかさを堪能する。
 そして顔を近づけ、主張を始めた乳首に舌を這わせる。
 春希の後頭部に雪菜が手を当て、髪を優しく撫でる。

「……雪菜……」
「春希くん。美味しい?」
「ああ、美味しいよ」
「……わたしね、あなたがこんな風に味わってくれるのが好きなんだよ」
「……そうなのか?」
「うん。自分じゃできないから、こういうの」
「自分……じゃ……そうか」

 そう、あの空白の三年間。
 春希も雪菜も、己の中にあるお互いへの想いを昇華しきれず、自分自身で誤魔化すしかなかったから。

「触ったり、弄ったりは自分でできるけど、舐めたり、ひとつになったりは……」
「ああ、そうだな。ひとりじゃできないよな」
「だから、あなたにこうして愛されるの、好きなんだよ」
「……俺もだよ」

 春希はTシャツとブラを一遍に掴んで雪菜の首から抜く。雪菜も両腕を上げて春希の動きを助ける。
 春希は再び雪菜の乳首に口を付け、唇で挟み、吸い、歯を立てて甘噛みし、噛み跡をなぞる様に舌で舐め上げる。

「んん、ちゅっ、かりっ、れろ……」

 雪菜の喘ぎが少しずつ大きくなり、春希の耳に優しく響く。
 その間も雪菜の手は春希の髪を梳き、頭を胸に抱き寄せる。
 春希の右手は下に移動し、デニム生地のミニスカートの裾に辿り着く。
 内腿に手を這わせ、優しい愛撫で撫でる。
 雪菜の両脚がもじもじと擦り合い、春希の手を挟み込む。
 春希は手をスカートの中に滑り込ませ、望む箇所に指を当てる。
 そこは薄い布地に包まれながらも、充分な熱さを指に伝えてくれる。
 初めは上から擦り、雪菜の反応を楽しんでいたが、その内に手の動きが激しくなり、とうとう布地の隙間に手を滑り込ませて、直に擦り上げる。
 すでにそこは熱い蜜で潤い、春希の手を濡らしていく。

「うぅん、んはぁ、あぁん、きゃあっ……」

 くちゅ、くちゅ、と湿った音が部屋を静かに満たす。
 溢れる蜜は春希の手からどんどん零れ、ショーツをも汚していく。
 春希は雪菜の腰を浮かせながらショーツに手を掛け、ゆっくりと脚から引き抜いた。

「……んもうっ、駄目だよぅ」
「……どうして?」
「だって、ひとりでできるもんっ」
「……じゃあ、ひとりじゃできないことなら、いい?」
「……うん。わたしも、あなたに、したい」

 雪菜の手も、いつの間にか主張をしていた春希の股間を擦っていた。

「……俺ひとりじゃあ、できないこと、してくれるか?」
「うん」

 春希がベッドに仰向けに寝転がり、雪菜は春希に腰を向ける形で上に跨った。
 ベルトを慣れた手つきで外し、ジーンズと下着を同時に下ろし、雪菜の望んだ春希の強欲を両手で優しく包み込む。

「ああ……あなたの、もうこんなに」
「……ああ」
「こんなに、硬くて、熱くて、大きい……」

 雪菜の吐息が春希の剛直を吹き掛かり、お互いの想いをさらに熱くする。
 春希も雪菜のスカートの裾を掴んで腰まで捲り上げ、お尻と秘裂を露わにする。

「雪菜……」
「あ……」
「お前のここも、こんなに溢れて、柔らかくて、熱い……」

 春希は雪菜の秘裂に手を伸ばし、指を差し入れる。
 堪らなくなったかのように春希は蜜で濡れた指で包皮を剥き、宝石を擦る。
 途端、雪菜は大きく背中を仰け反らせながら喘ぎ声を上げる。
 溢れた蜜は止めどなく流れ、春希の上に零れ落ちていく。

「ああ、勿体ない……」

 春希は躊躇なく泉に口を付け、音を立てて蜜を啜る。
 雪菜が腰をくねらせるが、春希は両手でしっかりと抑え込んで動きを封じる。
 初めは入り口を舌で優しくなぞり、唇で蜜を啜る。
 その内に舌を膣に滑り込ませ、勢いよく抜き差しする。
 その度に雪菜は春希の剛直を握り締めたまま背中を仰け反らせ、自由の利かない腰を振って襲い来る快感から逃れようとする。

「雪菜……ずるいぞ」
「あぁっ、ふあぁ、やあぁん……」
「俺ばっかりで、お前、何もしてくれないのか?」
「分かってるよぅ。でも、でもぉ……」
「じゃあ、少し休むから、頼むよ」

 春希が動きを止め、雪菜はようやく解放される。
 雪菜はぐったりと春希の上に倒れ込み、荒い息を整える。
 両手で包んでいた強欲を支えにして春希の身体の上を這い、顔を近づけ、頭を舌でペロリと一舐めした。
 瞬間、春希の腰がビクッと浮き、背中を仰け反らせる。
 しかし、雪菜がしっかりと跨っている状態では大した抵抗にならない。
 雪菜はそのまま頭を舐め回し、くびれの部分も舌でなぞり、手で茎をしごく。
 そして、春希の先端からヒクヒクと液が零れたのを見て、雪菜はパクリと強欲を口に含んだ。

「うっああぁ……」
「んむぅ、んる、じゅる、はむっ……」

 春希の腰が幾度も浮き、その度に雪菜の口内に深く入り込む。
 咳き込まないように気を付けながら、雪菜は春希を吸い続ける。

「んっ、んむうぅっ、ぐむぅっ」
「んぅ、じゅるる、れる、れろ」

 突然の不意打ちに、雪菜は思わず呻き声を上げる。
 春希が、再び行為を始めたからだ。
 舌が差し込まれ、激しい勢いで抜き差しを繰り返す。
 その間も唇で宝石を吸い続け、強い快感を送り込む。
 雪菜も負けじと首を上下に動かし、春希を吸い続ける。
 さらに右手で袋を包み、やわやわと揉みしだく。

「ふむ、ぐむ、じゅぷ、んん……」
「じゅ、じゅる、じゅうっ、ちゅる……」

 ……ああ、気持ちいい。いいよぉ、春希くん。
 ……ああ、気持ちいいよ、雪菜。
 ……だって、こうして二人で舐め合って。
 ……ひとりじゃ、絶対にできないもんな。
 ……うん。そうだよね。
 ……雪菜、俺、もう……。
 ……いいよ、いっぱい出して。
 ……ああ、出すよ、雪菜に。
 ……わたしも、イっちゃうぅ。
 ……ああ、いいよ。俺が、受け止めるから。
 ……うん、お願いね。

「んぐっ、んむうううううぅぅぅぅぅっ!」
「んんっ、んぷぅ……」

 そして、二人は同時に辿り着いた。
 春希の白い欲望を口で受け止め、雪菜は全てを飲み込んでいく。
 春希も雪菜の溢れる蜜を浴び、音を立てて吸い尽くす。
 そしてお互いに納まり、ゆっくりと息を整える。

「……っん」

 先に息を吹き返したのは春希だった。雪菜の腰を掴んだまま身体の下から抜け出した。
 ジーンズや下着、靴下など、春希の下部分を覆っていたものが雪菜の身体の下敷きになり、春希は強欲を夜の闇に曝け出す。
 そして未だ俯せのままの雪菜の腰を抱き上げ、入り口に当てる。

「あっ……」
「雪菜……」
「ちょっ、ちょっと待って」

 雪菜が身体を離して春希を制止した。勢いを削がれた春希は明らかに不満げな表情だ。

「……ねえ、どうしたの?今日の春希くん、何だか変だよ」
「変……って?」
「わたしを求めてくれるのは嬉しいんだけど……なんていうか」
「……なに?」
「いつもより強引で、ちょっと、怖い、よ……」

 春希は無言で雪菜を見詰め、それがさらに雪菜の心を竦ませる。

「だって、本当、久しぶりだから」
「え……?」
「和泉にライブ頼まれてかずさが引き受けて、雪菜も乗り気で……それから、ずっと時間があれば練習ばかりで」
「春希、くん……」
「せっかく結婚したってのに、仕事とライブのことで一杯一杯で。でもそれ以上に、ライブの時の雪菜はすごく素敵で」
「うん……」
「みんな、二人に注目してて。俺なんか全然釣り合いとれてなくて。それが何だかとても悔しくて。だって雪菜は、雪菜は俺の、俺だけの……」

 膝の上で握り締めた拳を固め、春希は顔を歪ませる。
 そんな春希をしばらく眺めていた雪菜は、おもむろにベッドの上で立ち上がった。
 春希が見上げる中で、雪菜はスカートのホックを外し、ファスナーを下ろしてためらいなく足元に脱ぎ捨てる。
 そのままニーソックスにも手を掛けて、瞬く間に生まれたままの姿になった。

「これでわたしはもう、ボーカルのSETSUNAじゃないよ」
「え……?」
「あなたの、あなただけの、雪菜だよ」

 雪菜は春希のそばでしゃがみ込み、春希の着ていたTシャツの裾を掴んで上に引っ張り上げた。そのまま首から抜いて、春希も自分と同じ姿にする。

「これであなたも、ギタリストのHARUKIじゃないよね?」
「あ……」
「わたしの、わたしだけの、春希くんだよね?」

 そして雪菜は、そっと包み込むように春希を抱き締めた。
 春希も、感極まった表情で雪菜を抱き締めた。
 お互いに潤んだ瞳で見詰め合い、唇を重ねる。
 すぐさま舌が絡み合い、お互いを存分に味わい尽くす。
 湿った音が二人の耳を包み、興奮と安らぎに身を任せる。
 口付けたまま春希が雪菜をベッドに押し倒し、雪菜の唾液を音を立てて啜る。
 雪菜も負けじと春希の唾液を啜り、喉に流し込んでいく。
 唇が離れ、二人の口元をお互いの唾液が糸を引いて繋ぎ続ける。
 その繋がりを求め続けるかのように、二人は再び唇を合わせる。
 それを幾度も繰り返し、お互いに息が上がった頃、春希は身体を起こし、雪菜を俯せに転がした。
 膝立ちのまま腰を抱え上げ、後ろから自らの欲棒を入り口に宛がう。

「雪菜、いくぞ」
「……結局、こうなるんだね」
「ああ……いいか?」
「うん、きて……」

 春希は腰を前に突き出し、ゆっくりと入り込んでいく。
 普段とは違う角度からの挿入に、雪菜は息を詰まらせそうになる。

「う、くっ。せ、雪菜……」
「あぁん、うぅん。は、春希くぅん……」

 お尻を鷲掴みにし、春希は杭を打ち始める。
 その度に雪菜の背中がビクッビクッと痙攣を起こし、喉を反らしながら喘ぐ。
 そんな風に悶える雪菜を見ている春希に、何とも言えぬ征服感が込み上げてくる。
 春希は手を離し、雪菜に覆い被さるように身体を密着させる。
 そして胸に手を回して揉み始め、襟足から項に掛けて舌を這わせる。

「ひゃあぁっ」
「んっ、雪菜、美味しいよ」
「やだっ。わたし、今、汚いよぉ」
「……どうして?」
「だって、ライブの時からずっと汗かきっぱなしじゃない。シャワーも浴びてないんだよ」
「だからだよ。雪菜の味、いっぱい味わえるんだから」
「ええっ?やだっ、そんなのぉ……」
「お前の汗も、涎も、涙も、蜜も。雪菜の味は、全部、俺のものだ」
「……ズルいよぉ。そんなこと、言われたらぁ、もう何も、言えないじゃない」
「もちろん、胸も、腰も、お尻も、脚も、ココも、全部俺のものだからな」

 春希はさらに耳を唇で挟み、耳の中にも舌を差し入れる。
 その間も胸への愛撫は欠かさず、掌で包み込むようにむにむにとその感触を楽しむ。

「……離さない。俺、雪菜のこと、絶対に離さない」
「ひゃん、ほ、本当に?もう、はあぁ、離さない?」
「ああ。もうお前のこと、誰にも渡さない」
「あぁん、う、嬉しいよぅ。もっと、もっとぉ」
「……雪菜、愛してる」
「わたしも、愛してるよ、春希くん」

 春希は体勢を立て直し、再び腰の動きを本格的に再開する。
 天井を擦り抉られるような快感に、雪菜も春希に合わせて腰を動かす。
 突き上げの度に雪菜の喉から高らかな旋律が流れ、春希に更なる興奮を促す。
 雪菜の中も、春希の攻撃を受けるにしたがい春希への締め付けが強くなり、それがまた春希を追い詰めていく。
 雪菜自身、腕だけで自らの身体を支え続ける余力が徐々に失われ、ベッドに肘を突いて前のめりになる。
 春希の方も動きがどんどん激しく、かつ単調になり、ただただ雪菜を共に導くための行為になっていった。

「ああっ、イく、わたし、もう駄目、イっちゃうぅ」
「俺も、もう、出る」
「いいよ、出して。わたしの、中に、あなたの、全部……」
「ああ。もちろん、最初っから、そのつもりだ」

 そして春希の最後の突き上げに、雪菜は背中を震わせながら仰け反り、一際大きな喘ぎ声と共に絶頂を迎えた。

「あああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!」

 そして春希を強烈に締め付け、春希をも頂点に導いた。

「うっ、くあぁ」

 春希の強欲の先から白い愛欲が迸り、雪菜の中を存分に満たしていく。
 春希がドクッドクッと放つ度に、雪菜も汗まみれの身体をビクッビクッと震わせながら春希の全てを受け止める。
 興奮が収まり、雪菜の腕からガクッと力が抜け、前のめりにベッドに突っ伏す。
 春希も横に転がり、大きく一つ息を吐いた。

「……雪菜、ごめんな。俺のワガママでこんなことに」
「ううん、春希くんはワガママでいいんだよ。わたしも嬉しいし」
「そうか……」
「そうだよ。あなたはわたしにはワガママでいいの」
「ありがとうな。お前も俺に……って、雪菜がワガママなのはいつものことだっけ」
「んもうっ。そうだけど、今言わなくたっていいじゃないっ」
「あはは……」
「もうっ、春希くんの意地悪っ」
「ごめんごめん。でさ、ワガママついでに……」
「……うん。分かってる。春希くん、まだまだ元気だもんね」
「……本当、久しぶりだから、さ」
「うん。わたしも、あなたが……」
「じゃあ、いくぞ」
「うん」

 春希が雪菜に覆い被さり、身を沈めていく。
 雪菜が春希の背中に腕を回し、ゆっくりと二人で溶け合っていった……。





「んはぁ、あは、ふぁあ……」

 春希の突き上げに、雪菜は甘い喘ぎで応える。
 あれからずっと、春希は雪菜を愛し続けていた。ある時は下から、またある時は横に寝そべらせながら、そしてある時はまた後ろから。様々な角度から様々な強さで雪菜を掻き回していた。
 そして今では、ベッドに仰向けに寝そべる雪菜を上から突き下ろしている。既に幾度も絶頂を迎えた今の二人であるが、それでも未だお互いを激しく求め合っている。

「せ、雪菜。俺、また……」
「うん、きて。わたしを、いっぱい、あなたで、満たしてぇ……」

 そして、もう何度目か分からないほどになるであろう絶頂を迎える。
 春希から放たれる雪菜にとっての聖水が、溢れ返らんとするほどに雪菜の中を満たしていった。

「はあっ、はあっ、はあっ……」
「うぅん、ふぁあ、はあぁん、ああぁん……」

 脱力した春希は雪菜の横にドサッと倒れ込む。その拍子に雪菜との繋がりも解けてしまう。

「あぁ……」

 名残惜しそうに眉を顰める雪菜の頬を春希がそっと手で包み込んだ。
 その優しい愛撫に、雪菜の表情が途端に綻んだ。

「……ねえ、春希くん」
「なに?」
「……楽しかったね」
「……ああ」
「わたし、やっぱりまた歌いたいな」
「……でも」
「うん、分かるよ、春希くんの言いたいこと。でもね、やっぱり三人でステージに立ちたい」
「でも雪菜、今まで何度か助っ人で歌ってたじゃないか」
「でもね、やっぱり物足りなかったんだ」
「……そう、か」
「かずさの演奏と、何よりも春希くんのギターが必要だったんだよ、わたしには」
「雪菜……」
「だから、これからは三人でしかステージには立ちたくない。かずさや、春希くんには迷惑掛けちゃうって分かってるけど」
「ああ、そうだな」
「……ごめんね」
「さっきも言っただろ。雪菜のワガママはいつものことだって」
「あはっ、そうだね」

 春希が雪菜の髪をクシャクシャと撫で、雪菜が微笑む。

「でも、そうだな。俺との結婚生活を疎かにしないっていうんなら、考えてもいいかな」
「えっ?本当に!?」
「まあ、かずさもコンサートツアーとかあるから、あとはあいつ次第かな」
「やろうよ!かずさだって頼めばきっとやってくれるよ!」
「……言い切ったな」
「だってだって!三人での演奏がわたしたちの原点なんだよ!かずさもきっと一緒にやってくれる!」
「……まあ、その時が来たら考えるとするか」

 春希は髪を撫でていた腕を雪菜の背中に回して抱き締める。雪菜も春希の胸に顔を埋め、温もりを確かめた。

「……やだ。どうしよう」
「……なにが?」
「あんなにあなたに愛してもらったばかりなのに。今までの分も抱いてくれたはずなのに」
「……どうしたの?」
「わたし、またお腹空いちゃったみたい」
「……なあ、雪菜」
「な、なぁに?」
「俺、どこまでお前を愛し続けられるか、試してみたい」
「えっ?ええっ?」
「俺も、腹減っちゃった。雪菜を、もっと食べたいんだ」
「春希、くん……」
「いままでも、そしてこれからも、俺は雪菜を愛し続ける。だから……」
「わたしを、ずっと愛し続けてくれる?」
「ああ。もちろんだ。だって……」

 一呼吸置いて、打ち明けた。

「……ひとりだけじゃ、できないもんね」
「……二人じゃなきゃ、できないもんな」

 二人は見詰め合い、クスクスと笑い合う。
 春希が再び雪菜に覆い被さり、唇を重ねた。
 ……そして二人は、お互いの思うがままに、熱く、長く、深く、激しく愛し合った……。

あとがき

本当のおまけとして書きました
気が向いたら読んでみて下さい

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