春希「うわああああ」

自分の悲鳴で目が覚めた。

春希「はぁ、はぁ、はぁ」

何とか息を整える。

何だ、今の夢は?
昨日の夢の続き?
それに、また、冬馬の感情が俺にまで伝わってきた。
何も考えずに深呼吸を何度もし、とにかく気分を落ち着かせる。
とりあえず、時計を見る。
目覚ましが鳴る30分前だった。
正直言って、二度寝はできない気分だった。
昨晩と同じく、机に向かい、今見た夢をノートに書き残した。
考察は後だ。
とにかく、忘れてはいけない。
ただ、内容を何も考えずに文字にする作業だけに没頭した。

一息ついたため、内容の整理を始める。
内容は、昨日の夢の続きでほぼ間違いない。
昨日の夢では、冬馬が俺にキスをしたことから、俺に好意を持っていると考えられる。
確かに、そんな環境下で、俺と雪菜が付き合い始めたと聞いたら、泣くのも自然と言えるが、突っ込みどころが多すぎだろう。
既に、冬馬と雪菜が二人とも俺に好意を持ってくれていると言うのか?
現実的に有り得ないだろう。
これは、俺の願望が作り出した都合の良い夢なんだよ
そう何度も言い聞かせたが、

そうならば

何故

冬馬が悲しまなければならないのか

そして

何故

冬馬の痛みが

悲しみが

怒りが

絶望が

あんなに伝わってくるのか?


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