ヨーロッパから帰国して数日。
仕事納めのこの日、春希は珍しく…というか、入社以来初めて定時で仕事を強引に終え、駅に向かった。
今日は、小春がマンションで待ってくれている。
帰国してから今日まで、連日深夜まで残業だったため、小春とは電話で話すだけで会えなかった。
たかが数日会えないだけでこんなに不安になるとは、自分自身信じられなかった。
原因は分かっている。あの日、かずさと小春が会ってしまったから。

あの後、小春は春希の不安を一掃する言葉をくれた。
その事は、正直嬉しかったし、小春の本心だということも疑いも無かった。
ただ、あの夜の小春はそれまでとは変わっていた。
いつもは春希が主導権を握り、小春は春希の想いを受け入れるだけだった。
けれど、あの夜、小春は初めて春希に
「もう一回してもいいですか?」
と聞いて来た。
そして、了承の言葉を聞く前に春希を仰向けにし、春希の乳首を舐めはじめた。右手はさっきまで小春の中で暴れ回っていて、今は一休みしている春希のモノを愛おしそうに愛撫する。
「…ふふっ、おーきくなーれ、げんきになーれ……あ…すごい…もう……」
それが硬くなるのに時間はかからなかった。
「春希先輩はそのままでいいですから…」
その上に跨ると自分から腰を落とし春希のモノを迎え入れた。

そのまま春希は小春にされるがままだった。
春希が想いを放出した時に、小春は3度目の絶頂を迎えていた。
「こんな素敵な街で先輩とエッチ出来るなんて夢みたいで燃えちゃいました」
そのまま春希の上に覆いかぶさるように力を失って伏せていた小春は、春希と目が合うと恥ずかしそうにそう言った。
「……すっごく気持ち良かったです」
そう言うと少し名残惜しそうに腰を持ち上げ、小春の中で力を失っていたものを解放した。
抜いたすぐ後にそこから春希が出したものが流れ出し、春希自身のうえに垂れて落ちた。
しばらくその様子を、春希に跨ったまま虚ろな目で見ていた小春は、出てくるものがひと段落した事を確認すると
「あ…食後のデザートができちゃいました…」
と言って、その垂れたものを舐め取り始めた。
「お…おい、小春、そんな事までしてくれなくても…」
「もぉー、駄目ですよ、これは私の物なんですから、春希先輩はじっとしていて下さい。あむっ…ぴちゃ……ん?口に出してもらった時と味が違う…?」
不思議そうに感想を言っていたが、
「あ…そーなんだ、これ、先輩の愛と私の愛が混ざり合ってるんだ…」
そう言いながら、なお愛おしそうに舐め取る。

そんな小春を見ているうちに、春希のモノはまた力を取り戻していった。
「わ…まだ元気に……、わたしさっきは3回もイっちゃったから、今度は口でしてあげますね」
そう言って、そのまま春希のモノを口に入れると舌を絡ませ…
「う…おおっ!」
小春の口の中に強烈に吸い込まれていく快感に、春希は思わず声を出した。
「あはっ…、きもひ…よかっは…れふか?…ん……」
そのまま2度搾り取られた(?)あと、せがまれて小春の中にもう一度(これがもう限界だと感じた)放出した。

それまで春希は、小春にもう少し積極的に求めてほしいと思ってもいたので、この時は小春の変化が嬉しかった。
けれど、帰国して数日会わない間、少しずつ不安が増していった。
やはりかずさの事を気にしているんじゃないだろうか…


マンションで春希を笑顔で迎えてくれた小春に、思い切って聞いてみた。
「はい、気にしてますよ。あたりまえじゃないですか」
あっさり認めた。
「…いや、あたりまえって言われても……」
「だって春希先輩、今でも小木曽先輩の事も冬馬先輩の事も好きですよね?」
「………」
「何で黙っちゃうんですか?」
「何でって…」
小春は春希を真っ直ぐに見つめると
「それでいいんですよ。いえ、そうじゃなくっちゃいけないんです。
ずっと春希先輩を見てきて分かっちゃいました。春希先輩は一度好きになった人の事はずっと好きなままなんです。
だから、この先私よりも好きな人が出来て私たちが別れちゃったとしても、私の事も好きなままでいてくれるはずなんですから」
春希は否定しなかった。確かに雪菜の事もかずさの事も好きなままだ。だから今でも二人の事を考えると切なくなる。
「小春はそれでいいのか?」
不思議そうに春希は聞いた。
「だって、それは仕方のない事でしょ?だから、もし私たちが別々の人と結婚して幸せな人生を送って、そうやって歳をとっていって……
偶然にもお互いの伴侶に先立たれてそれぞれが一人になった時、もしまだ私の事好きだったら、……その時は結婚して下さいね?」
小春の言葉に春希は暫く考えて言った。
「もし、か……それに、それはそれですごく先の話だな…」
「だからいいんですよ。何があっても頑張って行こうって気になりますから」
そう言って微笑む小春を春希は眩しそうに見つめた。
小春は強いな……自分なんか比べ物にならないぐらいに純粋で、そして愛しい……。

「なんて…、実はこれ、叔母の受け売りなんですけどね」
小春は、恥ずかしそうに言った。
「小春の叔母さんの?」
「はい、今はもう50歳を越えてますけど、叔母は若い頃、恋人とほんのちょっとしたすれ違いから別れてしまって、
半分ヤケになって、見合い結婚しちゃったんだそうです。でも、好きだった人のこと、どうしても忘れられなくって、時々泣いてたんですって。
そんな生活にも次第に慣れていったんですけど、彼と別れて10年以上経った頃、彼から連絡が来て二人で会う事になって… その時に、彼から言われたのが、
『今はお互い家族の事が大切なのは間違いないから、遠い将来、子供たちが独り立ちしてその後お互いが独りになるようなことがあったら、僕との結婚を考えて欲しい』
だそうです。私、それを聞いた時、そんなふうに想い続けることもアリかなって。人生のロスタイム同点ゴールみたいで」
「人生のロスタイム…か……」
今を懸命に生きることしか考えていない春希には、無かった発想だった。

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小春が春希達の事情を承知している事もあるのでしょうが、ここまで一番冷静な振る舞いをしていますね。(少なくとも表面上は)おかげで原作のcodaの時より春希の動揺が大きそうですが、小春の大人の態度に救われている感じですね。続きが楽しみです。

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Posted by tune 2014年03月05日(水) 23:07:13 返信

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