GURPSよろず

　ゲーム世界でどのような仕事につくことができるのかはGMが決定します。GMは自分で決めるか、あるいはキャラクターの才能に適した仕事をプレイヤーと相談して決めてください。現実の歴史を舞台にしたキャンペーンであれば、プレイヤーに自分がつきたいと思う仕事を調べさせ、信頼できる情報を集めさせることで手間を節約できます。
GMが決めたかプレイヤーが決めたかにかかわらず、仕事の前提条件・仕事判定・月給・財産レベルを決めるのはGMです。以下の項目でそれらについて説明します。

[[内容>仕事#Description]]

　これは仕事の名前と、それがどんな作業を必要とするかについてです。GMは作業時間、危険、ギルドや加入組合などを決定します。もしあれば、その仕事についての職業テンプレート（「キャラクター・テンプレートの種類」参照）に必要なCPを決めます。

[[前提条件>仕事#Prerequisites]]

　仕事の前提条件というのは――もしあれば――その仕事を行なうのに必要とされる技能です。大半の仕事には、前提条件とされる技能の最低限のレベルが特定されています。これは絶対レベル（〈管理Lv12〉以上）であったり、相対レベル〈管理〉を知力+2以上）だったりします。雇用主が試験を課すような場合は前者、経験を基準に仕事を与えるような場合は後者になることが多いでしょう。いずれの場合でも、志願者は最低でも1CPはその技能に割り振らなければなりません――技能なし値では充分ではありません！　仕事によっては特定の有利な特徴が必要だったり、特定の不利な特徴が禁止されているものもあります。

• 用語：仕事判定

　仕事をしているキャラクターは、毎月の終わりに1回、うまく勤務できたかどうかの判定を仕事の前提条件技能のうち1つに対して行ないます。これを「仕事判定」と呼びます。
　前提条件技能が複数あれば、「最善のもの」「最悪のもの」「1つ指定したもの」のうちどれで判定するかはGMが決定します。判定には簡単な仕事ならボーナス、難しい仕事ならペナルティがつくかもしれません。
　前提条件がないものは、GMは一律の成功判定（例：「すべてのキャラクターが12を目標値に判定」）か、能力値判定（例：「体力判定」）を課してください。
　たいていの職業は毎月の収入が一定です。成功判定でクリティカルやファンブルが起こらなければ、次の「月給」で決まっただけの金額を受け取ります。クリティカルの場合、あなたの月給は永久に10%アップします。
　他の仕事の収入はもっと変化します。例えば、フリーランスの仕事や依頼にもとづく仕事がそうです。こうした仕事では、仕事判定に“ぴったり”成功すると、月給の額の収入がもらえます。もっとよい成功なら、「成功度×10%」増しになります。クリティカルならその月の収入は3倍になります！
　仕事判定に失敗したなら、「失敗度×10%」減になります。
　どのような種類の仕事であっても、ファンブルは常に“悪い”ことが起こります。最善でも、その月の月給はもらえません。降給（最低でも月給が10%ダウン）、貯蓄を失う（損害賠償や罰金などによる）、失職、仕事中の負傷（事故によるもの――もし暴力に関わる仕事なら戦闘中の）、逮捕（特に犯罪である「仕事」の場合）などが起こるかもしれません。GMは想像を働かせてください！

• 用語：月給

　仕事に就いていると、毎月「月給」を受け取ります――上記のように、仕事判定による修正があります。冒険に費やした時間はふつう“仕事中”とはみなしません。ただしGMは“休暇中”“旅行しながら仕事をしている”といった例外を作りたいかもしれません。
　GMは月給を自由に設定することができます。最初の表は、「財産」が標準のキャラクターがその文明レベルにおける“典型的な”仕事に就いたときに支払われる月給の例です。“実際に”そのTLで支払われる額は、1つ前のTLの額と1つ後のTLの額までの幅をとります。

例：TL8なら2100〜3600$。経済がある種の緊張状態下にあったり、あるいは制御されていない場合を除いては、上限に近い職業は「困難」（仕事判定に大きなペナルティ）・「危険」（仕事判定でファンブルすると非常に厳しい結果）・「高度な訓練を要する」（複数の、あるいは高いレベルの前提条件）でしょう。

キャンペーンのTL	典型的な月給		キャンペーンのTL	典型的な月給
TL0	$625		TL7	$2100
TL1	$650		TL8	$2600
TL2	$675		TL9	$3600
TL3	$700		TL10	$5600
TL4	$800		TL11	$8100
TL5	$1100		TL12	$10600
TL6	$1600

仕事の財産レベル	月給の倍数	典型的な地位レベル
赤貧	1/5	-2
貧乏	1/2	-1
標準	1	0
快適	2	1
富裕	5	2
大金持	20	3
大金持	100	4
大富豪1	1000	5
大富豪2	1万	6
大富豪3	10万	7
大富豪4	100万	8

[[財産レベル>仕事#Wealth_Level]]

　月給は財産レベルが「標準」の労働者向けです。より低い財産レベルのキャラクターはふつうこれよりも安い給料の仕事に就き、より高い「財産」レベルのキャラクターの月給は、これよりも高くなります。開始時の財産にかけるのと同じ倍率を、標準的な月給と月給の幅にかけてください。

例：「快適」な財産は、開始時の財産を倍にします。そのため「快適」な仕事は通常の2倍の収入があります。TL8の場合、これは財産レベルが「快適」な人の標準的な月収は5200$で、4200〜7200台までの幅をもつことになります。

　月給が高いほど、それが維持できる「地位」レベルも高くなります。第2の表の右の欄がそれを表しています。
　もし自分のものよりも高い財産レベルのための仕事にPCがついたときには（これは簡単ではありません――「仕事につく」494ページ参照）、GMはその仕事での通常の月給を支払うべきです。貧乏な労働者にはより少ない給与を払う、といったことはふつうの雇用人にはできません。しかし、もしPCの所持金が1つ上の財産レベルにおける開始時の財産に等しくなったときには、CPを払って財産レベルを買わなければなりません（「社会的性質の獲得と成長」280ページ）。これは個人的な財産レベルと、仕事のレベルが同じになるまで続きます。
　同様に、裕福なPCが自分の財産レベル以下の仕事に就くこともできます。PCはその仕事による通常の給料を受け取ります。自分が裕福だという理由だけで、余分な給料を受け取ることはできないのです！こうした人々は、自分の（ふつう高い）「地位」に必要な生活費をまかなうために、しばしば「副収入」を持っています。