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tominosyou 2022年12月06日(火) 20:40:48履歴
第3版では「基本セット」とも呼ばれていたものに近いが、それはどちらかというと共通性質の方(ただし、種族テンプレートはこちら側)。キャラクター・テンプレートは複数の性質を一つの特徴へと統合したものではなく、特定のタイプのキャラクターの雛形(=Template)――“途中まで作ったキャラクター・シート”にすぎない。
「第7章:テンプレート」は主に使う側のための章で、「第15章:テンプレートの作成」はGM等の作る側のための章。『ベーシックセット』第7章「テンプレート」より。
キャラクター作成のルールはシンプルですが、プレイヤーが可能な限り好きなものを選べるよう、莫大な数の選択肢があります。この膨大なボリュームは新しいプレイヤー――特に、より柔軟性の低いRPGに慣れているゲーマー――を圧倒するかもしれません。キャラクター作成をより簡単に行なう方法が「テンプレート」の使用です。
テンプレートというのは、ゲームを早く開始する手段です。つまり、部分的に完成したキャラクター・シートなのです。ある役割を確実に果たすのに必要な性質だけを含んでいます。これはそれらの性質のCPをリストアップしており、その合計がテンプレートの“コスト”になっています。
テンプレートを選択した場合、開始時のCPからそのCPを支払ってください。残りのCPは、あなたがキャラクターの独自の特徴として考えている性質を買うことでカスタマイズできます。不利な特徴や癖を選んでCPを増やすことで、さらにカスタマイズすることもできます。“あなたが誰であるのか”が際立つ能力を買ってください。
テンプレートには2つの種類があります。「キャラクター・テンプレート」と「種族テンプレート」です。
目次
- 第7章 テンプレート(TEMPLATES) B249P
- キャラクター・テンプレート(CHARACTER TEMPLATES) B249P
- 種族テンプレート(RACIAL TEMPLATES) B251P
- 共通性質(Meta-trait) B253P
[[キャラクター・テンプレート>テンプレート#CHARACTER_TEMPLATES]]
- キャラクター・テンプレート(Character Templates)
キャラクター・テンプレートというのは、あるゲーム世界で特定の職業に就き、特別なドラマ的役割や機能を見事に果たせるPCをつくる青写真となるものです。あらかじめ一定の性質を指定しておくことによって、キャラクターが果たす役割に必要な能力を保証し、キャラクター作成の時間を短縮することができます。
キャラクター・テンプレートはゲームを始めたばかりのプレイヤーだけのものではありません。時間に追われている経験を積んだプレイヤーも、これが出発点として有用であることに気づくでしょう。GMもこれをNPCの作成に利用できます。
[[キャラクター・テンプレートは「クラス」か?>テンプレート#Are_Character_Templates_Character_Classes]]違います。
多くのRPGがキャラクターの「クラス制」を採用しています。ガープスのキャラクター・テンプレートはそれを表面上は再現していますが、いくつか重要な違いがあります。
まず1つには、テンプレートは必ずしも選ぶ必要がないということです。また選んだからといって、あなたの選択肢を制限するものではありません。テンプレートは自由に変更することができます。また獲得したCPは、あなたが望むあらゆる方法に費やすことができます。
多くのテンプレートが利用可能なキャンペーンであっても、一からキャラクターを作ることができます――経験を積んだプレイヤーの多くがそれを望むでしょう。それでも全く問題はありません。テンプレートには何かの傷や欠点は隠されておらず、特価の一括商品というわけではないからです。ですからテンプレートによって作成されたキャラクターは、自作のキャラクターと100%等価値であり、両者を1つのキャンペーンで共存させることに何の問題もありません。
[[キャラクター・テンプレートの使い方>テンプレート#HOW_TO_USE_CHARACTER_TEMPLATES]]まずCPを支払ってテンプレートを買ってください。個々の能力値、副能力値、有利な特徴、不利な特徴、技能などを買う必要はありません。
次に、テンプレートに記されているオプションから選択をしてください。テンプレートの多くには、有利な特徴、不利な特徴、技能などをまとめた“部分集合”があります。その中には能力値や副能力値を増減させるものもあります(このオプションは、有利な特徴と不利な特徴にもあります)。
テンプレートのオプションを選び終わったら、残ったCPを費やしてカスタマイズしてください。あなたがどのようにCPを使うかは、テンプレートには関係ありません。自由に決められます――もちろんGMの承認が必要ですが。
テンプレートにおける不利な特徴の合計が、キャンペーンの制限(「不利な特徴の制限」参照)よりも少なかった場合、より多くの不利な特徴を取ることができます。これによって費やすことができるCPが増えます。同じことは癖にもいえます。癖はいつでも自分自身で決めることができます。
またあなたは自分のキャラクターの体格と、年齢、髪や瞳の色などの詳細を決める必要があります。もし何も指示がなければ、あなたの文明レベルはキャンペーンのものと同じになります。
[[キャラクター・テンプレートの変更>テンプレート#Altering_Character_Templates]]キャラクター・テンプレートはルールではありません! テンプレートをカスタマイズする場合、あなたはそれに付属しているものを、すべて自由に決定することができます。結局、英雄伝説において、英雄は主役としての役割を果たしますが、さまざまな主役がいるときに、誰もが“典型的”なことは滅多にありません。あなたは能力を上昇させることも、低下させることも、入れ替えることも可能です――しかしテンプレートからなにかを取り除いてしまうと、仲間たちの役に立たなくなってしまう可能性もある点に注意してください。
[[キャラクター・テンプレートを組み合わせる>テンプレート#Combining_Character_Templates]]GMがキャンペーン用に多数のテンプレートを設定していれば(第15章「テンプレートの作成」参照)、あなたは複数のテンプレートの組み合わせを選択してもかまいません。例えば仕事を表しているもの、(複数の)所属組織の会員資格のあるもの、種族的特徴を表すもの、物語中の役割に当てはまるものなどです。しかし大半のテンプレートは、“その1つだけ”を取ることと想定しているため、複数組み合わせることによって問題が生じることもあります。解決するためには以下の指針を参照してください。
テンプレートを組み合わせる場合、能力値と副能力値は最も高いものを選んでください。有利な特徴、不利な特徴、技能は各テンプレートにあるものを組み合わせて、必要なものをすべて取ってください。技能のようなレベル制の性質については、最も高いものを取ってください。重ねて取ってはいけません(例:「地位2レベル」の騎士で、同時に「地位1レベル」の商人でもある場合、このキャラクターは地位3レベルではなく2レベルです)。必要なCPを、すべて合計して支払います。CPが残った場合、複数のテンプレートのオプションの中から何かを選んで調整することにします。
矛盾する有利な特徴と不利な特徴があった場合、これは単純に相殺してはいけません! これはそのテンプレートが組み合わせ不可能だというしるしです。あなたはその2つを同時に選ぶべきではありません。例えば、たいていの背景世界において、「地位2レベル」の騎士と「地位-3レベル」の物乞いのテンプレートを組み合わせて、「地位2レベル」の“物乞い騎士”を作成するのは非論理的です。
[[種族テンプレート>テンプレート#RACIAL_TEMPLATES]]
- 「種族テンプレート」(Racial Templates)
多くのゲーム世界で、あなたは人間には属していない種族のキャラクターを演じることができます。以下のルールでは「種族」という言葉を、人間以外のそれぞれの種、あるいは特定種類の超自然的存在(生きていたときの種に関係なく、幽霊や吸血鬼などアンデッドを含みます)、あるいは特定の型の製造物(特定モデルのロボット)として定義します。
「種族テンプレート」というのは、種族のすべての構成員に適用される性質の集まりです。これは種族の生理学、心理学、超常的能力(もしあれば)、主な文化(知的種族であれば)を定義するものです。
[[種族テンプレートの使い方>テンプレート#HOW_TO_USE_RACIAL_TEMPLATES]]人間以外の種族を演じる場合、通常その種族テンプレートの性質をすべてとらなければなりません。キャラクター・テンプレートにおける性質とは異なり、種族テンプレートにはほとんどオプションはありません。こうした性質に必要なCPの合計が、その種族における「種族必要CP」です。その種族に属するにはこのCPを支払わなければなりません。種族テンプレートというのは人間との差異を表現しています。そのため、人間を演じるときの種族必要CPは0CPです。
テンプレートの中には低CPキャンペーンのPCには高価すぎるものもあります。しかしGMは、強力な悪漢や後援者のために、これを使用してかまいません。GMはPCに対しては、これらのテンプレートの弱体化バージョンの使用を認めて(例えば、伝承にある能力のうちいくつかを欠いた吸血鬼)、強力なテンプレートはNPC専用にしてもいいでしょう。
種族テンプレートの作成方法は2巻第15章(「種族テンプレート」参照)で述べられています。それらはGM向けの文章ですが、GMはプレイヤーが自身の種族テンプレートを作ることを認めてもかまいません。これはさまざまな種類の異種族が登場するキャンペーンに向いています――特に恐るべき能力をもつ異種族がよく出てくる超人のキャンペーンには。ガープスの本の多くに種族テンプレートが載っています。
[[能力値と副能力値の修正>テンプレート#Attribute_and_Secondary_Characteristic_Modifiers]]種族テンプレートには、しばしば能力値や副能力値の修正があります。例えば体力+2、HP-3といったようにです。あなたがキャラクターのために獲得した能力値に、この修正を適用してください。それから修正後の能力値を反映させて副能力値を計算しなおしてください。最後に副能力値の修正を適用してください。これには余分なCPは必要ありません! これらのボーナス(やペナルティ)はすでに支払った種族テンプレートのCPに含まれています。
もし能力値・副能力値の修正が種族テンプレートに書かれていなかった場合、その種族は普通の人間と変わらないことを意味します。
例: サングリアは体力を11にするために10CP費やしました。これによってHPも11になります。さらに4CP費やしてHPを13にしました。彼女はそれから吸血鬼のテンプレートをとりました。このテンプレートには「体力+6」が含まれています。そのため体力が17になります。この体力上昇によって彼女のHPは19に上昇します。さらにテンプレートに「HP+4」が含まれているため、彼女のHPは最終的に23になります! この体力とHPのボーナスにCPは必要ありません。サングリアは種族テンプレートをとったときに、すでに支払っているからです。
[[テンプレートの重複>テンプレート#Stacking_Templates]]充分なCPがあれば、種族テンプレートとキャラクター・テンプレートの両方を買って積み重ねることができます。「キャラクター・テンプレートを組み合わせる」の指針に従ってください。ただし「キャラクター・テンプレートの要素を排除することはできるが、種族テンプレートではそれができない」点に注意してください。
特殊な状況であれば、2種類の種族テンプレートを組み合わせることができます。例えばエルフは同時に吸血鬼であることができます。両方のテンプレートで互換性のある特徴はそのままにしておいてください。レベル性のものは加算してください(エルフは体力-1、吸血鬼は体力+6となっています。ですからエルフ吸血鬼は体力+5です)。矛盾する特徴については(例えば「鋭敏視覚」と「視覚障害」どちらを維持してどちらを無視するかはGMが決定します。その後必要CPを適切に調整してください。
[[共通性質>テンプレート#Meta-trait]]
- 共通性質(Meta-trait)
GMが承認すれば、共通性質の要素を修正して必要CPを変更してもかまいません。例えば「空気の体」をとった場合、ものを運ぶことができるようにするためには体力のペナルティとHPのボーナスを減少させて、「手足がない」を削除してください。
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