汎用TRPG「ガープス(GURUPS)」について、だべったりつづったりする所。 魔法関連ルールの編集者募集中!

種族テンプレート」「共通性質」とは第3版で言う種族の「基本セット」にあたる概念です。(ルナルの例で言えば「ゴブリン基本セット」。種族の「追加セット」の方は第4版の「亜種族」が相当します。)
ベーシックセット』の「第15章:テンプレートの作成」より。
目次


種族テンプレート(RACIAL TEMPLATES) p.427/107

[[種族テンプレート>種族テンプレート#RACIAL_TEMPLATES]]
 ガープスで想定している基本のキャラクターは人間です。しかし多くのゲーム世界では人間以外のキャラクターも一般的です。人間とはちがう種族を表わしている性質を集めたものが「種族テンプレート」です。
 キャラクター・テンプレートと異なり、ふつう種族テンプレートにはオプションがなく、調節可能でもありません――その種族に属する者は、全員がその種族テンプレートを書かれているとおりに購入“しなければなりません”。さらに、種族テンプレートはプレイに影響を及ぼすさまざまな特殊ルールの制約をうけます。そのため、ゲームの結果に影響を与える“隠れた特色”が含まれているかもしれません。


コンセプト(Concept)

[[コンセプト種族テンプレート#Concept]]
 種族テンプレートを設計する前には、作ろうとしている種族についての明確な考えがなければなりません。種族のコンセプトは、キャラクターのコンセプトとは違います――あなたは種族全体を作ろうとしています。形態面、生き残り戦略(生物学的、科学技術的、あるいは魔法的に)、集団行動、文化などを考慮しなければなりません。

種族とは?(What Is a Race?)
[[種族とは?>種族テンプレート#What_Is_a_Race?]]
 “種族”というのはふつう生物的な種のことです――人間、トラ、エルフ、異星人グレイ、など
―しかし、あなたはこの定義に制限をうける必要はありません。種族というのは遺伝子操作を受けた亜種でもかまいませんし、特定分野の空想生物(例えば“妖精”や“ヴァンパイア”)でも、創造物(ゴーレム、ロボット、知性をもつコンピュータプログラム)の特定様式・モデルでもかまいません。問題になるのは、そのグループのすべての構成員が同じ共通の性質をいくつか持っているということです。


彼らの外見は?(What Do They Look Like?)
[[彼らの外見は?>種族テンプレート#What_Do_They_Look_Like?]]
 外見は、その種族が持つ性質の多くを示唆しています。例えば4本腕の種族は、人間よりも腕が2本多いので「追加の腕」を2つとらなければなりません。これは有利な特徴です。同様に、一つ目の種族は「片目」を持っていなければなりません。深視力がないため、その不利な特徴をもつ人間と同等に見積もります。
 単に見た目の違いと、実際のゲームにおける効果は明確に区別してください。外見というのは多くの場合“演出”です。演出にCPを要求すべきではありません――「特色禁止性質」(252ページ)を見てください。人間と比較した場合の、純粋な“機能”の差だけが能力値有利な特徴不利な特徴による区別を必要とします。種族テンプレートにCPを不必要に割り当てることは、まず間違いなく多種族キャンペーンを混乱させます――たとえバランスがとれていても、です。


彼らの思考は?(How Do They Think?)
[[彼らの思考は?>種族テンプレート#How_Do_They_Think?]]
 その種族がどのように行動するかを決定してください。そして、その種族に支配的な文化背景を考えてください。こうした要素は、種族的な技能など精神的な性質を決定します。ここでも、ゲームに影響を与える要素とそうでないものを慎重に識別してください。
もっとも難しい問題は、種族がどのように思考するかを決めることです。もしあなたが、プレイヤーにその種族の一員をロールプレイすることを期待しているなら、これは重大です!
 人間がもつ二つの根元的な欲望は、生殖と物質的充足です。他の種族はこうした衝動をもっていないかもしれません。もちろん、どのような生物も、子孫や自分を保存しようとする“なんらかの”衝動を持っていなければなりません。そうでなければその種族は消滅してしまいます。こうした衝動を完全に持たない種族は、人類から見れば本当に違和感を覚える考え方をしているでしょう。


性質を選ぶ(Selecting Traits)

[[性質を選ぶ>種族テンプレート#Selecting_Traits]]
 種族テンプレートに含まれる能力値修正・副能力値修正・有利な特徴不利な特徴技能は、その種族全員に適用されます。種族はまた、CPを必要としないもののゲーム的に意味のある特色をもつこともできます。
 1~3章にあらわれるほとんどの精神的・肉体的性質は、種族による性質にも適切です。社会的性質が適切であることも、まれですがあります――たとえば、種族全体が「社会的尊厳」を得ていたり、「社会的弱者」だったりすることがあり
ます。
 GMとして、必要であれば特殊的・超常的性質を種族テンプレートに割り振ることも自由にできます―たとえそうした性質がふつうなら禁止されていたとしてもです(その場合、そうした性質を持っているのは異種族だけということになります)。性質によっては「種族テンプレート専用で、ほかの状況では発生しない」とはっきり述べられているものもあります。
 どのような場合でも、あなたが選んだ性質はその種族のコンセプトと一致しなければなりません。さらに重要なのは“筋が通っている”ことです。

種族能力値修正(Racial Attribute Modifiers)
[[種族能力値修正>種族テンプレート#Racial_Attribute_Modifiers]]
 その種族の典型であるメンバーの知力敏捷力知力生命力が人間の標準である10と異なる場合、その種族は「種族能力値修正」をもっていることになります。種族の平均的な体力生命力が±1ごとに+10CP、敏捷力知力は1ごとに±20CPされます。
 そうした種族の一員は、個人的な能力値の代価を通常どおり支払った後で、最終的な能力値を決定するために種族能力値修正を適用します。

例:種族全体が体力+10である場合、100CPかかります。一方で知カー1は-20CPです。こうした種族修正を備えた種族テンプレートには「体力+10[100]知力ー1[-20]」と書かれています。
その種族のメンバーはまず、個人的な能力値体力9[-10]、知力14[80]として購入します。それから種族能力値修正を適用します。体力+10によって体力19、知カー1によって知力13になります。


種族副能力値修正(Racial Secondary Characteristic Modifiers)
[[種族副能力値修正>種族テンプレート#Racial_Secondary_Characteristic_Modifiers]]
 種族能力値修正と同様に機能します。主な違いはCPです。HP+1ごとに+2CP、FP+1ごとに±3CP、基本反応速度±0.25、意志力知覚力基本移動力+1ごとに±5CP必要です。

例:種族全体が基本反応速度-0.75である場合は-15CPになります。種族テンプレートには「基本反応速度-0.75[-15]」と書かれています。

 こうした種族の一員は、種族能力値修正を適用した基本能力値にそって、通常通り副能力値を計算します。その後でCPを支払って自分の副能力値を上げたり、CPを受け取って副能力値を下げることができます。さらにその後、種族副能力値修正を適用して最終的な値を求めます。

例:敏捷力+2、生命力+1、基本反応速度-0.75の種族の一員がいます。彼は個人の能力値として、敏捷力12[40]、生命力12[20]を買いました。種族能力値修正によって、この数値は敏捷力14、生命力13になります。この能力値によって基本反応速度は6.75になります。次に、20CP支払って個人的な基本反応速度を7.75まで上昇させます。最後に、種族による基本反応速度-0.75を適用して、最終的な基本反応速度は7.00になります。


種族による有利な特徴と不利な特徴(Racial Advantages and Disadvantages)
[[種族による有利な特徴と不利な特徴>種族テンプレート#Racial_Advantages_and_Disadvantages]]
 非人間種族は、個人がもつことのできるどんな有利な特徴不利な特徴でも、ふさわしい理由があればもつことができます。疑わしいときには、GMの常識が頼りとなります。
 体格に関わる性質――「やせっぽち」「太りぎみ」「太りぎみ」「極度の肥満」「小人症」「巨人症」(体格、20ページ)――は、種族の平均に対してです。これらは個人向けであって、種族の特徴ではありません。種族全体が人間よりも小さかったり大きかったりする場合、サイズ修正(「サイズ修正」21ページ)を適用してください。これにはCPは必要ありません――手足が長いという利点は、攻撃目標として大きいという欠点と相殺されます。手足が短いという欠点は、敵に攻撃されにくいという利点とバランスがとれています。こうした種族の一員は、個別にはどのような体格であってもかまいません。例えばオーガは種族としてSM+1ですが、個人が「小人症」をもつことはできます。その場合はSMOです。
 種族による不利な特徴は、キャンペーンにおける不利な特徴の制限に含めません(「不利な特徴の制限」115ページ)。この制限は“個人的な”不利な特徴にのみ適用します。例えば、不利な特徴が-75CPまでという制限がかかったキャンペーンのプレイヤーは、PCとしてどんな種族を選んだとしても-75CPまでの不利な特徴をとることができます。
エラッタ修正(訳語不統一):【誤】「極度の太りぎみ」→【正】「極度の肥満

種族による癖(Racial Quirks)
[[種族による癖>種族テンプレート#Racial_Quirks]]
 種族な些細な不利な特徴や個性化するための性質として、いくつかのを種族の基本に割り振ることは有用でしょう。しかし、これらは控えめに適用してください――プレイヤーはこうした特徴を演じる義務を課せられます。そして、あまりにも多くの種族による癖を適用すると、プレイすることが不可能なほど複雑なキャラクターになってしまいます。
 種族による癖は、通常の“5個まで”という制限に含めません。


特色と禁止性質(Features and Taboo Traits)
[[特色と禁止性質>種族テンプレート#Features_and_Taboo_Traits]]
 多くの性質は、実際の能力を増やしたり減らしたりすることなく種族の“違い”を明らかにします。こうした性質の必要CPは0で、2つのカテゴリーに分類されます。


特色: Features
[[特色>種族テンプレート#Features]]
 「特色」というのは、その違いが有利な特徴でも不利な特徴にも該当しない場合、その種族が人間とどのように外見や生理学上異なるか、についての注釈です。例えば人間の亜種が「あらかじめ盲腸がない」ように遺伝子操作された場合、これは特色です。ファンタジーの種族が生まれたときから魔法のあざを持っている場合も特色す。種族の成長速度が速い遅いも特色です。種族が本来慣れ親しんでいる環境が、人間のもの(人間は1Gの重力に適応しており、2度から32度の気温が「快適」であり、窒素78%酸素21%で1気圧の大気を呼吸します)と違っていれば同様に特色となります。しかし、ある種族が人間と比べで“より広い”環境の変動に耐えることができれば、それは有利な特徴です!」


禁止性質: Taboo
[[禁止性質>種族テンプレート#Taboo]]
 ある種の有利な特徴不利な特徴技能を、特定の種族はとることができません(「禁止」されています)。つまり、そうした種族の一員はその性質を持つことができないのです。可能な選択肢がいくつかあって、実際にキャラクターがある性質をとることができる見込みが小さいだけでは、これは禁止性質とはみなしません。「禁止性質」はときとして種族による不利な特徴に起因します。例えば「脚がない/固定」があれば移動に関わる性質が禁止されるのは論理的です。種族を楽しく遊ぶために、禁止性質をあまり多く設定しないでください。またそれぞれに、文化的・心理的・生理的に妥当な理由をもたせるようにしてください。



種族による技能ボーナスとペナルティ(Racial Skill Bonuses and Penalties)
[[種族による技能ボーナスとペナルティ>種族テンプレート#Racial_Skill_Bonuses_and_Penalties]]
 ある技能(複数も可)に対して先天的な素質をもつ種族は有利でしょうし、無能な種族が不利なのはまちがいありません。
 1つの技能に対する種族による素質は、+1で2CP、+2で4CP、+3で6CP(これが認められる最大のボーナスです)必要です。これを記述するためには、例えば「<偽造>に+1[2]」や「<言いくるめ>に+3[6]」と記してください。こうした性質は実際にその技能を“与える”ものではありません――しかし、彼らがその技能で判定する際(技能なし値でも)にはボーナスを与えます。
 ある種族が一組の関わりのある技能に対して先天的に素質をもっている場合、それは「才能」(54ページ)として扱ってください。6種類以下の技能に+1のボーナスを与える場合は5CP必要です。7~12種類の技能であれば10CP、13種類以上の技能であれば15CPです。得られる最大のボーナスは+4です。一般的な「才能」ではない場合、どの技能がボーナスを得るのかは記録しておいてください(心を広く持ってください
組み合わせが不自然に思えても、人間と異なる方法で考える種族にとっては「密接な関わりがある」のかもしれません)。
 1つの技能に対する種族的な素質の欠如は、-4につき一律-1CPです。これは種族による癖で、「才能がない」(158ページ)の通常のルールにすべて従います。バランスをとるために、1つの種族がとることができる「才能がない」は、5つの技能に対してまで(-5CP)とします。また、CPを得るために影響をうける技能は、そのゲーム世界で重要なものでなければなりません。
 いくつか関連する技能に対して先天的に素質を欠いている場合、それは「才能」と同様に見なしてください。ただしCPはマイナスになります。例えば7~12種類の技能に-2の修正を与える場合、-20CPの種族的不利な特徴になります。1つの種族がとることができる“種族による才能の欠落”は、1組の技能に対してだけです。
 上記のボーナスとペナルティは、影響をうける技能のすべての専門に適用されます。

●経験の影響: Effects of Experience
 種族による修正を持つ技能を、その一員が成長させた場合、種族の修正はいったんおいて、その個人が費やすCPに基づいて技能を計算します。種族修正は“最終的に”技能レベルに適用されます。例えば、「<言いくるめ>に+1」をもつ種族の一員は、1CP支払うだけで<言いくるめ>を知力レベルで習得することができます。しかし<言いくるめ>を知力+1レベルに成長させたいと思ったら、あと1CP支払うだけでかまいません。


種族による習得技能(Racially Learned Skills)
[[種族による習得技能>種族テンプレート#Racially_Learned_Skills]]
 「種族による習得技能」というのは、ある種族の全員が自動的に一定のレベルで習得している技能のことです。これはふつう先天的なものであったり、本能的なものであったりします。例えば、飛行する種族は種族による習得技能として<飛行>技能をもっているでしょう。一方で足に肉球のある種族は、種族の基本として〈忍び〉をもっているかもしれません。
 種族による習得技能の必要CPを求めるときには、個人のキャラクターが学習するのと同じように計算してください。「技能/CP表」を参照してください。キャラクター・テンプレートで用いられているのと同じ書式で記入します(「技能の一覧」参照、425ページ)。最終的な技能レベルは、種族の平均的な能力値に基づいたものを記入してください。例えば、敏捷力+4、生命力-1の能力値修正をもつ種族の平均値は、敏捷力14で生命力9です。ですから「飛行(並)生命力[2]Lv9」「忍び(並)敏捷力+1[4]Lv15」と記入してください。その種族の一員の“本当の”技能レベルは、その個人の能力値に応じてさまざまに変化します。

●経験の影響: Effects of Experience
 ある種族の一員が、種族による習得技能を成長させた場合、ほかの技能とまったく同じに扱います。例えば<飛行>を種族の基本として生命力レベルで習得している個人は、生命力+1レベルに成長させるためには2CP必要で


種族による魔法(Racial Magic)
[[種族による魔法>種族テンプレート#Racial_Magic]]
 ファンタジーやホラー世界では、多くの種族が魔法と関わっています。以下に魔法の力を扱うために考えられる方法を2つ挙げます。

有利な特徴: Advantages
 ある有利な特徴は、その種族の魔法的な性質を起源としていることに“演出効果”としてできます(「有利な特徴の起源」35ページ参照)。そうした有利な特徴は、機能するためにはマナが必要です。マナのない地域が一般的なゲーム世界では、有利な特徴のコストの-10%に相当する「マナが必要」の限定を適用してください。


●種族としての先天的呪文: Racially Innate Spells
[[種族としての先天的呪文>種族テンプレート#Racially_Innate_Spells]]
 その種族の全員が1つ以上の呪文を唱える能力をもっています。第5章「魔法」(本サイトでは『魔法大全』のルールが優先)を参照してください。通常の前提条件は無視します。そして「種族による習得技能」(上記)のルールを用いて呪文を習得してください。もし種族による「魔法の素質」があれば、そのレベルを種族による習得呪文のレベルに加えてください。種族としての先天的呪文を唱えるために「魔法の素質」は必須ではありません――しかし「魔法の素質がないと、その種族の呪文はマナが「密」「濃密の地域でしか唱えることができません(「マナ」227ページ参照)。種族としての先天的呪文だけを唱えることができる場合、その種族は「魔法の素質0レベル」を通常の5CPで獲得しなければなりませんが、1レベル以上の「魔法の素質」は「種族としての先天的呪文のみ」という-40%相当の「条件限定」をかけて獲得できます。

コラム

PC用種族とNPC用種族(PC Races vs. NPC Races)
[[PC用種族とNPC用種族>種族テンプレート#PC_Races_vs._NPC_Races]]
 「PC用種族」というのは、キャラクター作成時にPCが属する事ができる種族のことです。「NPC用種族」というのは、GMの制御下にあるNPCに限定されている種族です。PC用種族とNPC用種族の間に、ルールの違いはありません。GMとして、あなたはある種族を自由にどちらにも分類することができます――あるいはキャンペーンの途中でも、ある種族を別の分類に移動させることもできます!
 あまり厳しい制限をかけないでください!総括的なシステムであるガープスは、ほとんどの状況のためのルールを備えています。もしプレイヤーとGMがロールプレイに対して難しい状況にも挑みたければ、他のゲームではNPCに限定されている種族(幽霊・モンスター・ロボットなど)をPCが行うことも可能になります。


プレイヤーが作成する種族(Player-Created Races)
[[プレイヤーが作成する種族>種族テンプレート#Player-Created_Races]]
 キャンペーンで使用する種族テンプレートの設計はGMの仕事です。ここに述べられているルールは、個別のキャラクターを作成する場合よりも自由裁量権制限とバランス調整の要素が緩くなっています。なぜなら、これはGM向けのルールであり、GMは自分のキャンペーンをどのようなバランスにするかを自由に決定できるからです。
 冒険的なGMは特に手慣れたプレイヤーやそのグループに対して、自分で使うキャラクター用の種族を設計することを認めてもかまいません。これは無数の非人間種族が必要となるキャンペーンにおいて、GMの時間を節約する手段になります!
以下に、プレイヤーに種族を作成させることを認めたいGMのために、コツをいくつか書いておきます。

●濫用を監視してください。これらのルールはバランス調整の要素を欠いていますので、実際には人類より明らかに優秀な種族を作ることができます。そのような種族を認めてはいけません少なくともPC用としては。

●どんなにバランスがとれていたとしても、PCに与えたくないと思っている能力(あるいは能力の組み合わせ)を認めてはいけません。特に特殊的・超常的な性質については注意してください。もしある性質をとることが“すべての”PCにとって禁止されている場合、PCの種族にとっても問題ではないはずです。

●プレイヤーが作成した種族は、多数の異種族が存在するキャンペーン世界で最もうまく働きます。“また別の種族”が出てきたとしても、キャンペーンを壊してしまうことはめったにないでしょう。しかし、必ずしも自分用の種族を作成したいとは思っていないプレイヤーのために、既製のPC用種族をいくつか用意しておいてください――これは自分用の種族を作りたいと思っているプレイヤーに向けての手本にもなるでしょう。

●プレイヤーがNPC用種族をつくることは警戒してください。多くのゲーム世界において、NPC用種族はいくぶん謎めいた存在を想定しています。その作成者がパーティのメンバーにいれば、謎を保つのは困難です!


必要CPの決定(Setting the Price)

[[必要CPの決定>種族テンプレート#Setting_the_Price]]
[[種族必要CP>種族テンプレート#Setting_the_Price]]
 種族テンプレートの必要CP――“種族必要CP”と呼ばれます――は、それを構成する性質の必要CPを合計したものです。その種族を演じたい人は、全員がその種族必要CPを支払わなければなりません。もし種族必要CPが0かそれ以上であれば、そのテンプレート有利な特徴としてあつかいます。種族必要CPがマイナスであれば、それは不利な特徴として扱います(人間を演じるには0CP必要です。しかし、これを記入する必要はありません。種族テンプレートを購入していないキャラクターはみな人間だとみなされるからです)。
 マイナスの必要CPをもつ種族テンプレートは、キャンペーンにおける不利な特徴の制限には含めません(「不利な特徴の制限」115ページ参照)。CPの低い種族の一員であっても、CPの高い種族と同様に、個人として精神面・肉体面・社会面の問題を抱えることがあるのです!
 プレイヤーはふつう種族テンプレートに含まれている“すべての”要素を購入しなければなりません。そしてGMの許可があれば、特定の性質を“取り除く”ことができます。有利な特徴を取り除けばCPの節約になります。一方で不利な特徴を取り除くにはCPが必要です。どちらの場合でも、種族テンプレートの必要CPを一括で支払ってから、個々の変更を記入してください。例えば「“赤外線視覚”なし」[-10]、「“視力が悪い”なし」[25]などです。「種族の性質を除外する」(253ページ)を参照してください。


亜種族(Sub-Races)

[[亜種族>種族テンプレート#Sub-Races]]
 「亜種族」というのは、それなりの割合を占めるその種族の一部ではあるが、標準から見ると明らかに差のある種族を指します。例えば、雄と雌で極端に異なる場合や、本当の意味での生物学的亜種、混血、極度の変異体(あるいはロボットの場合はアップグレード版)などが含まれます。
亜種族は元となる種族のテンプレートのかなりの部分を共有しています。しかし、いくつか重要な差があります(種族必要CPを調整してください)。亜種族については、キャラクター・テンプレートにおける「レンズ」(426ページ参照)とまったく同じように記述してください。


空欄を埋める(Filling in the Blanks)

[[空欄を埋める>種族テンプレート#Filling_in_the_Blanks]]
種族テンプレートを完成させた後、次の点を考慮してみてください。その答えは、あなたがプレイヤーに対してその種族を描写する助けになります。また、プレイヤーがその種族の一員を演技することも助けます。
●彼らはどのように見えますか? どれくらい大きいですか? どれくらい背は高いですか? どんな形ですか? どんな色ですか? 髪の毛はありますか? どんな色ですか? 目はありますか? 識別可能なしるしが何かありますか? 手や鉤爪は持っていますか? 関節はどの方向に曲がりますか?
●彼らは創造されたものですか、それとも進化したものですか? どこで? どのような環境が、どのような有利な特徴不利な特徴を与えましたか?
●彼らはどのように生活していますか? どのように統治していますか? 社交的ですか、それとも個体で生活していますか? 社交的な場合、巨大都市・小さな村・家族のうちどれが好みですか?
●彼らはどのように思考しますか? 種族的な哲学はありますか? 宗教はありますか? 複数の宗教がありますか? 緊急事態にはどのように対応しますか? 新しいことが好きですか、それとも保守的ですか? 彼らは信頼できますか?
●彼らは他者とどのようにつきあいますか? 自分たちのあいだで戦いますか? 初めて出会う種族にはどのように反応しますか? 疑い深く? 熱烈に? 他の種族と交易しますか ?特別に好き/嫌いな他の種族はいますか?


コラム:キャラクターの必要CPと種族の力(Character Cost vs. Racial Strength)

[[キャラクターの必要CPと種族の力>種族テンプレート#Character_Cost_vs._Racial_Strength]]
 ほんのいくつかであっても、人間よりも強力な種族を作りたいと望むGMは多いでしょう。これはゲーム上では、種族の必要CPが高いことを意味しています。しかし、彼らの存在はキャンペーンに明らかな矛盾を発生させるかもしれません。「そんなに強力だとしたら、なぜ彼らが世界を支配しないのか?」
 もっとも明快な答えは「彼らは支配しています!」です。人間がそのキャンペーン世界における支配種族である理由はまったくありません。人間はそれほど重要ではない些細な種族であるかもしれませんし、非人類の古代文明に対する無礼な成り上がり者かもしれません。
 さらにまた、たとえ人間中心のキャンペーンであっても超人的な種族を見捨てる必要はありません。個人が卓越しているという要因は、ある種族が別の種族を支配できるという要因とは異なります。人間中心の物語、あるいはキャンペーンは、ふつう人間が他の種族と比べていくつかの利点を持っていることを想定していますが、それはキャラクター・シートの上には現れないでしょう。

 人間は多産です。1人の女性は生涯で6から12人の子供を出産できます。男性は無数の女性との間に子供をもうけることができます。他の種族は厳密に一夫一婦制かもしれませんし、あるいは複雑な生殖可能な周期にしばられていたり、種族一般に生殖能力がないかもしれません。単に人間が数において優ることで支配しているのかもしれないのです。このことは自然界において確証されます。非常に有能な種(例えば支配的な肉食動物)は、必然的に“より劣った”種よりも人口は少なくなります。
 人間は積極的です。自分のための金銭・財産・権力を望む傾向があります。実用主義的な種族は、人間を移民させて、ある仕事を運営させる責任を負わせるかもしれません!彼らは基本的な権利をいくつか要求するかもしれませんが、それが政治的な権力である必要はありません。もちろん、極端に強力であったり超自然的な種族は、人間には理解できない目標を設定するかもしれません――ただ、人間には望む通りにさせているのです。
 人間は組織的です。人間の祖先がしたのとは違って、超人的な種族は自然から身を護るために結束する必要がないかもしれません。そうした種族は、組織化された人間の軍事行動や政治計画に対抗できないかもしれません。むしろそうした種族は、人間の組織を受け入れることによって経済や文化面での利益があることに気づくかもしれません。

 この考え方は、非常に力の低い種族と人間の間にも同様に当てはまります。群棲性の精神をもつものや、原始的な群れの構成員は、個々では人間に対抗することはできないでしょう。しかし、種族としては人間よりも多産で、積極的で、組織的かもしれません!

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GURPS Power-Ups 6:Quirks

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GURPS Power-Ups 8:Limitations

第4章:技能

第4版技能一覧
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↓特集サプリメント
GURPS Power-Ups 7:Wildcard Skills
第4版呪文一覧
原書呪文一覧
第3章〜第26章

各コラム

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第7章テンプレート

第8章装備

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第11章:戦闘

戦闘
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第13章特殊な戦闘の状況

特殊な戦闘の状況
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Pyramid 3/76: Dungeon Fantasy IV

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GURPS Template Toolkit 2: Races
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