GURPSよろず

[[技能レベルの意味>技能レベル]]

　あなたは〈文学Lv9〉と〈礼儀作法Lv22〉、そして〈ショートソードLv13〉を習得しました。ところで、この技能レベルの数値にはどんな意味があるのでしょう?　何がよく、何が悪く、何が平均的なのでしょう？　そのことはキャラクターを作るときにとても重要です。また、他のゲームのキャラクターをガープスに移す（あるいはその逆）ためにも、技能レベルを理解することは必要でしょう。技能レベルを比較するには、2つの確かな――しかし異なる――方法があります。

[[成功の確率>技能レベル#PROBABILITY_OF_SUCCESS]]

　技能レベルの意味を知る最も簡単な方法は、その成功確率を見ることです。技能を使うには、3Dを振って技能レベル以下を出さなくてはいけません。これを「成功判定」と呼びます（2巻第10章参照）。あなたの技能レベルが13なら、サイコロ3個の目の合計が13以下なら成功です。下の表はそれぞれの技能レベルごとの成功確率を表した表です――これはあなたが3Dしてその数値以下の数字を出す確率です。技能レベルは18を超えることもありますが、サイコロの目が17か18だと常に失敗です。誰が何を判定しても100%確実に成功するということはありえません！

技能の目安と成功確率

技能レベル	成功率		技能レベル	成功率
3	0.5％		10	50.0％
4	1.9％		11	62.5％
5	4.6％		12	74.1％
6	9.3％		13	83.8％
7	16.2％		14	90.7％
8	25.9％		15	95.4％
9	37.5％		16以上	98.1％

※ガープスでは、17はファンブルか自動失敗、18は必ずファンブルである為、17、18は割愛します。

[[基本技能レベルと修正後技能レベル>技能レベル#Base_Skill_vs_Effective_Skill]]

　修正を受ける前の技能レベルを「基本技能レベル」と呼びます。これは冒険の危険な状況で、“通常の"行為として成功する確率を表しています――失敗すると重要な結果を引き起こす、緊張する状況下においてです。以下にこうした状況の例を挙げておきます。

• ●戦闘や追跡の場面
• ●時間との勝負
• ●健康・自由・資金・装備などが危険にさらされる状況

　GMは行為の難易度を反映して技能レベルを修正してもかまいません。その行為に関するすべての修正を施した後の技能レベルを“修正後技能レベル”と呼び、“目標値“となります。
冒険以外の状況で、あなたに準備する時間が充分にあって、危険も最低限であるときには、GMはあなたに+4かそれ以上の修正を課してもかまいません（GMはサイコロを振る時間を浪費する代わりに、そのような行動は自動的に成功したと宣言してもかまいません。（「いつ判定するのか」2巻第10章参照）。ふつうの人々は日常の行為では、ほぼ必ずこうしたボーナス修正を得ます。たとえ技能なし値で行為をしているときでもです。

例：民間航空機のパイロットは、〈操縦Lv12）を持っています。通常は成功の確率は74%です。しかし日常のフライトでは+4の修正を受けて判定します。これにより修正後技能レベルは16になり、成功の確率は98.1%になります。
一方で、特別に困難である挑戦的な状況ではペナルティがあります。「文化」（24ページ）「言語」（25ページ）「文明レベル修正」（163ページ）「慣れ」（164ページ）「装備修正」（2巻第10章）「行為の難易度」（2巻第10章）などが一般的な修正です。あなたが技能を習得する際には、これらの要素を計算に入れてください。

• 相対的技能レベル参照。
  • L-技能を他の能力値で使う
  • L-能力値なしで技能を使う

[[技能レベルの選択>技能レベル#Choosing_Your_Skill_Levels]]

　生き残るためにどの程度の技能レベルが必要なのか、を見積もるのは簡単な仕事ではありません。どれだけの数の技能が現実的かを決定することも同様に複雑です。PC（あるいはNPC）を作成する際には、以下の指針を覚えておいてください。

　ふつうの人々は能力値が9から11におさまるのが妥当で、“生活技能（life skills）”（教育と職業に応じて種類は異なりますが）に20〜40CP費やしています。多くの人々は、これらのCPを十数の技能に平等に費やしています。その結果、技能レベルは8から13レベルの間におちつきます。生計をたてるために使用される技能は、この範囲の上限（12〜13）になり、ほとんど用いていない技能や大学で学んで長い間忘れたきりの技能は、この範囲の下限（8〜9）になります。

　技能レベルが14になってしまうと、それ以上の成長は成功率をそれほど改善させることはありません。さらに、高い技能レベルを得るには多くのCPが必要になります。しかし、あなたが冒険者であれば、こうした投資は困難な作業に対するペナルティを克服するために役立ちます。例えば、あなたが〈鍵開けLv23〉だったとして、ふつうの鍵のをあける成功率が高くなるわけではありません――技能レベルにかかわらず17と18の目は失敗です。しかし、もし技能判定に-6の修正がある難しい鍵であっても、あなたの修正後の技能レベルは17です（やはり17と18の目では失敗ですが、失敗はそれだけなのです）

　もしあなたがその分野で“達人（master）”であれば、あなたは無限に技能を上昇させることを夢見るかもしれません。しかし真の達人は自分の職業のあらゆる側面をよく理解しています。そこで、“主技能”を達人レベル（20〜25）で止めておいて、他の補助的な技能をいくつか学ぶようにします。1つの技能を極端に高いレベル（25以上）で習得するのはやりすぎで、まともとは思えません。1つ以上の補助的な技能の組み合わせのほうが役に立つことが多いでしょう。

例：カンフーマスターは〈空手〉を30レベルまで上昇させるより、〈空手〉を25レベルでとどめて〈軽業〉〈柔道〉〈瞑想〉などを習得した方が役に立つでしょう。

　達人になるためには、より困難な状態でのペナルティを打ち消すことができる有利な特徴にCPを回した方がいいこともあります。この例で言えば、カンフーマスターは「達人の指導」（複数回攻撃と受けをすることによるペナルティを軽減する）「戦闘即応」（防御できる機会が増える）を取ることで、技能を1つ伸ばすだけではできないことができます。
　GMはPCが1つや2つの技能だけにCPを振りわけるのではなく、さまざまな技能を選択させるために、PCがとる技能レベルを20〜25のどこかに制限してもかまいません。