GURPSよろず

「GURPS 魔法大全」の「斬新な調合」p.214より。

　伝説で「賢者の石」または“ラピス・フィロソファルム（lapis philosopharum）”と呼ばれる石は、素晴らしい特質を沢山備えています。卑金属を黄金に変えたり、人間を不死にしたりと、様々な奇跡を起こします。しかし、誰にでも使えるというわけではありません。この石を使うには特殊な訓練が必要です。賢者の石を自然の石とする説もありますが、技を極める内に姿を変えてしまった錬金術師の魂そのものだとする説もあります。
　「魔法大全」では、賢者の石は錬金術の触媒として働く自然の石として扱います。この石を利用すると<錬金術>判定が+6されます。未熟な者はこの石に触れていると、ちょっとした恩恵を受けます。護符や装身具にして身につけることで、病気や毒に抵抗する際、生命力が+2されます。さらに、長期間、身につけ続けていることで、「老化しにくい」の有利な特徴を得ます。この石を1D日間、金属の物体に接触させておくと、表面から1/40センチ（0.25mm）の深さまで金に変わります。この物資が原因で、錬金術師は物体に金メッキをして人を騙すと思われるはめになったのです。

　賢者の石に必要な材料費は＄9000です。製造には52週間（364日）かかります。判定は<錬金術>-8の技能なし値で行ないます。めったにないことですが、万一売りに出れば、価格は＄15000を下らないでしょう。

『GURPS Supers』p.89-90「SETS AND PROPS」の「ALCHEMICAL PREPARATIONS」のp.90の「Philosopher’s Stone」より。

　マンガ的キャンペーンにおける賢者の石は、典型的なファンタジー・ゲームのものとは若干異なる性質を持っています。ここでの賢者の石は、基本コストが1レベル毎5cpの「錬金術の才能」（Alchemy Talent）を提供し、これに「壊れる/DR30、修理不可、SM-10」-15%、「盗まれる/隠密行動か策略」-20%、「魔法」-10% の修正計-55%を付けます。これは、〈錬金術〉技能とヒーローが持つ錬金術パワー能力の両方に恩恵を与えます。

　「賢者の石」の効果は何も「魔法大全」のデータがすべてではありません。賢者の石にはいくつもの逸話や異名があります（「哲学者の石」「天上の石」「大エリクシル」「エリクサー」「赤きティンクトゥラ」「第五実体」「鮮血の星」「仙丹」「ムップ」「生命の水」「アクア・ウイタエ」）。GMは様々な創作物に登場する「賢者の石」を自分なり再現することもできます。以下に例を挙げます。

　「魔法大全」の賢者の石に近い効果の非売品を再現しようとした場合、以下の内訳となります。
「<錬金術>技能の補助道具」としての側面をフォーカスしており、「些事省略」と同様の効果を追加しています。これにより、<錬金術>の技能レベルが16以上になれば、<錬金術>による製造作業の技能判定が自動成功となります。

■「専用アイテム/賢者の石」[ 25cp ]
46cp -45% = 24.75cp ≒ 25cp

• [46cp] 基本性質として統合。
  • [32cp] 「<錬金術>（知力/至難）にさらに32cp（4cp×8）費やした扱い。未修得なら知力+6で修得させる」
  • [ 2cp] 「老化しにくい」
  • [ 5cp] 「耐性/毒（+3）」
  • [ 5cp] 「耐性/病気（+3）」
  • [ 1cp] 「このアイテムを1D日間、金属の物体に接触させておくと、表面から0.25mmの深さまで金に変わる」（「付属品」と同効果）
  • [ 1cp] 「<錬金術 Lv16以上>なら<錬金術>による製造作業の技能判定が自動成功になる」（「些事省略」と同効果）
• [-45%] 「発明品の限定」
  • [-20%] 「盗まれる/隠密行動か策略を使わなければ盗めない」
  • [-25%] 「代わりがない」

　所持者に「魔法の素質」「マナ増幅」「ER/魔法」や、様々な「魔法系特典」などを与えます。

　所持者に「耐性」や「無効化」、「治療できる」「洗浄液」「清潔な代謝」「無傷の衣服」「鎮魂体質」「鎮魂の誓約」「中立協定/アンデッド」「手ぶら手当」、医療関連の「付属品」などを与えます。

　所持者に「年をとらない」「無効化/代謝性の危険」「呼吸不要」「飲食不要」「睡眠不要」「真空耐性」「耐圧」「HP再生」「部位再生」「負傷耐性」「防護点」「追加の命」「殺されない」などを与えます。

賢者の石(赤い石)参照。

• <錬金術>
• 錬金術による製造物
  • 霊薬
  • 霊晶
  • アルカヘスト
  • 賢者の石
  • 錬金生物