最終更新:ID:LfilqpaITQ 2023年01月30日(月) 18:21:20履歴
しかし、この価格は、魔術師がゆっくり確実な魔化を行なっていると仮定した場合です。エネルギー消費が少ない品物は、手軽で危ない魔化を使って大量生産されているかもしれません。技能レベル20の有能な魔術師が助手を5人も使えば、パワーストーンやHPを使わず、品物に簡単に60点のエネルギーを注ぎこむことができます。厳密な分岐点はGMが決めますが、手軽で危ない魔化を使えるとささいな魔法の品物の価格は大きく下がることになるでしょう。
そのため、GMの選択次第では、典型的な魔術師や魔術師集団が手軽で危ない方法で魔法の品物を作る場合(エネルギー60点分の品物が妥当)、消費エネルギー1点あたりの価格が$1になります。したがって、《確かさ》+1の矢は$25、魔法の杖は$30になりますが、《確かさ》+2の剣にはやはり$33000かかることになります。
いずれの場合でも、魔化に要する費用に、魔法の材料の価格と魔化される品物自体の価格が足しあわされます。
当然、魔化を行なう魔術師が珍しければ、価格は上昇します。さまざまな設定における魔法の品物の価格についての詳しい取り扱いは、21ページ「経済と魔化」を参照してください。
魔法の品物を買い入れるほどの資金がある場合でも、望みの品物を作りだせる――《魔化》と品物にこめたい呪文の両方を身につけた魔術師を探しださねばなりません。世界設定によっては、魔法の品物を専門に扱う店が存在する場合もあります。そうした店なら、望みの品物を用意できるでしょう。望みの品物を作れる魔術師を見つけださねばならない場合、大量の時間と手間を費やしたうえ、高値を支払うことになるかもしれません。
基本的に魔法が知られていない世界では、魔法の品物の値段は正当なものではないでしょう。魔法の品物はどれも1つしかない宝物で、売り手は好きな値段をつけることができます!
[[中古の品物>魔法の品物の購入#Second-Hand_Enchantments]]どんな世界でも――特に魔法がありふれた世界では――魔法の品物に対してエネルギー1点あたり$33は高すぎます。幸いなことに、ほとんどの場合は、この基準に従わなくてもかまいません。多くの人が魔法の品物を持っている世界では、同時にもう使わない魔法の品物も多く存在します。こうした品物は、魔術師に新しく作ってもらうより、安く買えるのが普通です。
中古の魔法の品物の供給源はいくつか存在します。世界設定によっては、魔法の品物の大半はお金の有り余る貴族たちが抱えこんでいます。こうした欠点が家宝をもたらすこともありますが、ほとんどの場合は家が没落するまで、箪笥にせっせとゴミを集め続けた挙句、不必要なガラクタを売り払わねばならない羽目になります。また、悪いことに、流行遅れになってしまう品物もあります。相続権を持つ典型的な御曹司にとっては、父親が若い頃に使っていた野暮ったい篭柄付きの剣は、たとえ《高速準備》の魔化が施されていても、価値のないものです。こうしたさまざまな理由により、貴族からの放出品は、中古市場にとって格好の供給源となるのです。
他にも、魔法の品物の重要な供給源として、冒険者たちの一団があります。失われた都市の探索にせよ、邪悪な死霊術師の討伐や魔物がはびこる地下迷宮の踏破にせよ、冒険者たちは次々に魔法の品物に出くわします。冒険者たちも、手に入れた魔法の品物をすべて使いこなせるわけではないでしょう。魔法の品物を売り払って、次の探索の資金に換えることもあります。
中古の魔法の品物のほとんどは、魔化された品物を専門に扱う商人の手で取引されます。こうした商人の多くは、魔化で身を立てられなかったものの、品質を見極める目をもった魔術師です。魔法の品物を扱う商人はエネルギー1点あたりの価格を$20まで下げることで、最大40%の値引きをします。専門の商人は、手軽で危ない魔化で作れる品物は利幅が極端に薄いため、取り扱わないのが普通です。
中古品を購入には、望みどおりの品が必ず手に入るわけではないという短所があります。魔化の内容によっては、中古では手に入らないこともあります。《悪臭》の杖など、専門の商人が扱っていなければ、手に入る可能性はまずありません。欲しい品物は不便な形の物でしか見つからないかもしれません――おそらくは前述の流行遅れの剣のような品であったり、商人が扱っていた《水浄化》の品がフラフープ大だったりします。また、1つしかない望みの品には、他に別の呪文がこめられていたり、面倒な《制限魔化?》が使われていたりすることもあるでしょう。馬鹿げた品物でプレイヤーを困らせるのをGMに勧めるわけではありませんが、ときには安物買いの銭失いに終わることもあるはずです。
[[魔法の品物の売却>魔法の品物の購入#Selling_Magic_Items]]PCが魔法の品物を売る場合もあります。冒険で見つけた品物でいくら稼げるかを知ろうという場合、たいていは専門の商人が唯一の買い手になります。こうした商人は、売却するときの値引率を倍にして30%引きで売るつもりなら60%引きで――品物を買い取ろうとします。PCは、興味を持っている買い手に直接売ることもできますが、そうした買い手は簡単には見つからないでしょう。買い手を探しだしたとしても、商人と値下げ競争をしなければなりません。そして、PCたちは、商人が頼りにするような評判を持ちあわせていないはずです。
ただし、PCが自分で魔化した品を売ろうとする場合は、少し話が変わってきます。商人は新品の品を買い取るだけでなく、ときには他より高値での取り引きに応じます。魔化のできる魔術師から信頼を得ることは、遺跡を掘り返すみすぼらしい冒険者からの信頼に勝るのです。また、PCになんらかのコネがあれば(おそらく魔術師ギルドを通して)、名のある魔術師が魔法の品物の委託販売を引き受けてくれるかもしれません。魔化を行なう魔術師は、自分の技量を見せ、購入意欲をそそるために、常に簡単な品をいくつか用意していることがあります。そうした魔術師なら、10%の手数料でPCが作った魔法の品物を売却してくれるでしょう。PCの魔術師が報酬を受け取るのは、実際に品物が売れたときになります。
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