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tyounekogami 2024年12月14日(土) 23:31:21履歴
第3版の「格闘動作」等はここに含まれる。「テクニック」とわざわざカタカナにせずとも、「技巧」あるいは「巧技」「技法」といった名称で良かったと思われる。本サイトでは性質名の冗長化を防ぐために、「技法」を対訳として想定している。例:特典の「独自技法」(Unique Technique)、「技法結節」(Technique Adaptation)、「技法上限拡張」(Technique Mastery)など。『ベーシックセット』第4章「技能」より。
「テクニック」というのは、特定の作業をこなす技能を磨き、熟練することで、本来の技能から別れた技です。その“親”となる技能でも行なえる作業ですが、それ自身を学習することもできます。これは自発的専門化とは異なります。自発的専門化は知力系の理論全体から選ぶのであって、ある行動から選ぶものではありません。テクニックはほとんど技能と同じように機能しますが、若干の重要な違いもあります。
[[基本概念と名前>テクニック#Concept_and_Name]]そのテクニックが一般的に何を目的としているのかを決めてください。そして、それが再現するものを的確に表した名前をつけてください。
テクニックはその技能の“中核”となる行動であってはいけません。例えば【パンチ】は<ボクシング>のテクニックにはなりません。<ボクシング>技能のほとんどはパンチに関することがらだからです! その技能に関連する主な行動を改善するためには、その技能自身を向上させるしかありません。
- 例1: 静止画と動画のどちらをとるにしても<写真撮影>技能が必要です。写真家が動画撮影の技能だけを特別に訓練した場合、ふつうならある-3の修正を取り除くことはできるでしょう。ですから【動画撮影】は<写真撮影>技能のテクニックとして合理的です。
- 例2: <空手>技能はパンチとキックの両方をカバーしています。しかし格闘家は蹴り技の練習に時間を費やすことによって、キックする際にかかる-2のペナルティを無くすことができます。ですから【キック】が<空手>技能のテクニックであるのは理論的です。
[[技能なし値と専門化>テクニック#Defaults_and_Specialties]]
エラッタ修正:【誤】特定化 【正】専門化テクニックは必ずもとになった技能を技能なし値として使うことができます。ふつう、その技能なし値は技能の説明(や他の場所)で記述されている修正と同じです。技能なし値が複数あることもあります。もしテクニックが複数の技能なし値をもっており、選択することが可能である場合、テクニックを学ぶときにはどの技能なし値から習得したバージョンであるのかを特定し専門化しなければなりません。
- 例1: <写真撮影>で動画を撮影する場合-3の修正があります。ですから【動画撮影】の技能なし値は<写真撮影>-3です。
- 例2: <格闘>と<空手>のどちらでもキックは可能です。ですから【キック】の技能なし値は<格闘>-2または<空手>-2です。しかし<格闘>を技能なし値として用いる場合、【キック(空手)】に専門化しなければなりません。一方で<空手>を技能なし値として用いる人は【キック(空手)】に専門化しなければなりません。
[[テクニックを元にした技能なし値>テクニック#Double_Defaults_and_Techniques]]“他の技能からの技能なし値”を別の技能の技能なし値として使うことはできません(「「技能なし値」をもとにした「技能なし値」」参照。B168P)。しかしテクニックは技能とは違います。もしあるテクニックAが別のテクニックBを技能なし値として使用できる場合、テクニックBの技能なし値として利用できる技能を習得しているキャラクターはテクニックAを使用することができます。
例:【指関節技】の技能なし値は【腕関節技】-3です。【腕関節技】の技能なし値は<柔道>か<レスリング>です。この場合、実質的に【指関節技】を<柔道>-3か<レスリング>-3で使用できます。
[[習得難易度>テクニック#Difficulty_Level]]テクニックには習得難易度が2つしかありません。並と難です。失敗すると厳しい副作用があったり、1回しか試みることができない行動は「難」です。その他はすべては「並」です。これは必要CPに影響します。
なお、<錬金術>の産物で、魔法大全のp.212にある「錬金術のお守り」(「霊晶」参照)に「習得難易度:至難」のテクニックが言及されています。
- 例1: 動画の撮影が危険であることはあまりありません。また失敗すればふつう撮り直すことができます。したがって【動画撮影】は並のテクニックです。
- 例2: キックに失敗すると、転倒する可能性があります。これは戦闘時には致命的な状況変化をもたらすかもしれません。【キック】は難のテクニックです。
[[最大レベル>テクニック#Maximum_Level]]細かな点に注目した練習では、そこそこの程度にしか到達しません。さらなる高みに達するためには、新しい土台を築かなければなりません。これを反映するために、テクニックの種類によっては元の技能レベルとの相対的なレベルに上限が設定されていることがあります。そのレベルに到達すると、それ以上に改善するためには元の技能を上昇させなければなりません。技能の重要な要素をカバーしているテクニックの場合、最大レベルはふつう元の技能レベルに設定されています。より周辺の技術であれば、前提条件の技能レベルを越えることがあるかもしれませんし、制限がないこともあります。
- 例1: 冒険者は動画のカメラマンとしてのキャリアをつんでもかまいません。これはゲームバランスに影響を与えます。ですから【動画撮影】技能は上限がなく、最大レベルも存在しないと設定しても問題はなさそうですし、公平でしょう。
- 例2: 【キック】は有力な攻撃手段であり、<格闘>や<空手>技能を学習する主な理由の1つでもあります。ですから【キック】は前提となる技能を越えて成長させることはできません。
[[説明>テクニック#Description]]ほとんどのテクニックは前提条件となった技能に、必要なルールが書かれています。しかし、テクニックによっては選択式の追加ルールが書かれていたり、その技能のまったく新しい使用法が書かれていることもあります。
- 例1: 【動画撮影】には特別に記述すべきことはありません。<写真撮影>技能に書かれているように動画のカメラを使うことができます。
- 例2: キックはパンチに比べるとダメージが+1されます。また命中判定に失敗した時には敏捷力判定を行なわなければならず、失敗すると転倒します。これらのルールは【キック】のルールを正式に記述する時には、常に必要となります。
[[テクニックの習得と成長>テクニック#BUYING_AND_IMPROVING_TECHNIQUES]]テクニックの習得はほとんどの技能の習得と同じです――必要なCPは、その難易度と相対的な技能レベルによって決まります。しかし2つの違いがあります。相対的技能レベルは関連能力値に対してではなく、元になる技能レベルに対して決まります。そして「技能/CP表」ではなく「テクニックCP表」を用います。
テクニックを上昇させるには、望むレベルと現在のレベルに必要なCPの差額を支払います――技能とまったく同じ手順です。能力値を上昇させると技能レベルも自動的に上げるとテクニックのレベルも自動的に上昇します。例えばあなたが<空手>15レベルと【キック】15レベルだとして、<空手>16レベルに上昇させたならばCPを支払わずとも【キック】16レベルに上昇します!
その行為を行なうのに、テクニックを習得しなければならないわけではありません。もし技能に1CPでも費やしていれば、その技能を技能なし値として使えるテクニックは、すべて使用できます。しかしキャラクター・シートへの書き込みを少なくするために、技能なし値よりも高いレベルで覚えているテクニックだけを記入しておいたほうがいいでしょう。
[[戦闘用テクニックの例>テクニック#SAMPLE_COMBAT_TECHNIQUES]]戦闘中の特殊な行動というのが最も一般的なテクニックです。魔法使いの呪文と同じように、戦士に“技の引き出し”を与えます。もし戦闘用のテクニックが複数の技能なし値を持つ場合は、元になった技能にも設定しなければなりません。例えばあるテクニックを<斧・メイス>に関して習得した場合、そのテクニックの<ブロードソード>版については何の効果もありません!
*のマークが記されたテクニックは現実的なものではありません。GMはこれらの“マンガ的”テクニックを――「達人の指導」や「武器の達人」をもつPCに限定してもかまいません。
テクニック名 | 難易度 | 技能なし値 | 前提条件 | 上限 | 頁 | 原書名 | 原書頁 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
腕関節技 | 並 | <柔道>、 <レスリング> | <柔道>か <レスリング> | 前提条件の技能レベル+4 | p.B223 | Arm Lock | P.B230 | |
後ろ蹴り | 難 | <空手>-4 | <空手> | <空手>技能レベル | p.B223 | Back Kick | P.B230 | |
チョークホールド | 難 | <柔道>-2、 <レスリング>-3 | <柔道>か <レスリング> | 前提条件の技能レベル | p.B223 | Choke Hold | P.B230 | |
武器落とし | 難 | 前提条件技能 | いずれかの 素手戦闘技能・ <白兵武器>技能 | 前提条件の技能レベル+5 | p.B223 | Disarming | P.B230 | |
二刀流* 二丁拳銃?* | 難 | 前提条件技能 | 片手用<白兵武器>技能 (<銃器/ピストル>に対してこのテクニックを習得しても構わない。) | 前提条件の技能レベル | p.B223 | Dual-Weapon Attack | P.B230 | |
肘打ち | 並 | <格闘>-2、 <空手>-2 | <格闘>か <空手> | 前提条件の技能レベル | p.B223 | Elbow Strike | P.B230-231 | |
フェイント | 難 | 前提条件技能 | いずれかの 素手戦闘技能・ <白兵武器>技能 | 前提条件の技能レベル+4 | p.B223 | Feint | P.B231 | |
指関節技 | 難 | 【腕関節技】-3 | 【腕関節技】 | 【腕関節技】 | p.B223 | Finger Lock | P.B231 | |
地面戦闘 | 難 | 前提条件技能-4 | いずれかの 素手戦闘技能・ <白兵武器>技能 | 前提条件の技能レベル | p.B223 | Ground Fighting | P.B231 | |
騎射 | 難 | <弓>-4 | <弓>と <騎乗> | <弓>技能レベル | p.B223 | Horse Archery | P.B231 | |
跳び蹴り | 難 | <空手>-4 | <空手> | <空手>技能レベル | p.B223 | Jump Kick | P.B231 | |
キック | 難 | <格闘>-2、 <空手>-2 | <格闘>か <空手> | 前提条件の技能レベル | p.B224 | Kicking | P.B231 | |
膝蹴り | 並 | <格闘>-1、 <空手>-1 | <格闘>か <空手> | 前提条件の技能レベル | p.B224 | Knee Strike | P.B232 | |
首折り | 難 | 体力-4 | なし | 体力+3 | p.B224 | Neck Snap | P.B232 | <レスリング>技能があれば体力基準判定へのボーナスは適用される。 |
逆腕訓練 | 難 | 前提条件技能-4 | 任意の<白兵武器>技能 | 前提条件の技能レベル | p.B224 | Off-hand Weapon Training | P.B232 | |
武器構え | 難 | 前提条件技能 | 任意の<白兵武器>技能 | 前提条件の技能レベル+5 | p.B224 | Retain Weapon | P.B232 | 銃器や弓のような長射程武器に対してこのテクニックを学ぶ場合、技能なし値が敏捷力で、上限が敏捷力+5になる。 |
足払い | 難 | 前提条件技能-3 | <ポールアーム>、 <槍>、 <杖>のいずれか | 前提条件の技能レベル | p.B224-225 | Sweep | P.B232 | 素手戦闘における同等のテクニックは【掃腿】と呼び、柄の代わりに脚を用いる(【掃腿】を参照。)。 |
掃腿 | 難 | <柔道>-3か <空手>-3か <相撲>-3 | <柔道>、 <空手>、 <相撲>のいずれか | 前提条件の技能レベル | p.B224-225 | Sweeping Kick | P.B232 | 長柄武器における同等のテクニックは【足払い】と呼ぶ。(詳細は【足払い】を参照)。 |
竜巻斬り* | 難 | 前提条件技能-5 | <ブロードソード>、 <杖>、 <両手剣> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Whirlwind Attack | P.B232 |
[[非戦闘用テクニックの例>テクニック#SAMPLE_NOCOMBAT_TECHNIQUES]]ある技能を使ってペナルティのかかる行為は、ほとんどどのようなものでもテクニックになり得ます。そのようなテクニックの主な目的はペナルティを買い戻すことです。しかしGMは詳細を追加してもかまいません。
テクニック名 | 難易度 | 技能なし値 | 前提条件 | 上限 | 頁 | 原書名 | 原書頁 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ものまね | 並 | <声まね/声帯模写>-3 | <声まね/声帯模写> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Impersonate | P.B233 | |
人命救助 | 難 | <水泳>-5 | <水泳> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Lifesaving | P.B233 | |
動画撮影 | 並 | <写真撮影>-3 | <写真撮影> | - | p.B225 | Motion-Picture Camera | P.B233 | |
無着陸輸送 | 難 | <操縦>-4 | <操縦> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | No-Landing Extraction | P.B233 | |
ロープ登り | 並 | <登攀>-2 | <登攀> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Rope Up | P.B233 | これの反対のテクニックは【ロープ降り】。 |
ロープ降り | 並 | <登攀>-1 | <登攀> | <登攀>+3 | p.B225 | Rope Down | P.B233 | これの反対のテクニックは【ロープ登り】。 |
登壁 | 難 | <登攀>-3 | <登攀> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Scaling | P.B233 | 「登る」ルール参照。 |
トラップ設置 | 難 | <爆発物/TL/爆破>-2 | <爆発物/TL/爆破> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Set Trap | P.B233 | |
手錠抜け | 難 | <脱出>-5 | <脱出> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Slip Handcuffs | P.B233 | |
手探り | 難 | <鍵開け>-5 | <鍵開け> | 前提条件の技能レベル | p.B225 | Work by Touch | P.B233 | GMは<爆発物/TL>や<罠>などの"盗賊系"技能に【手探り】テクニックを認めても構わない。 |
[[追加テクニック>テクニック#NEW_TECHNIQUES]]英語版テクニック一覧:https://gurps.fandom.com/wiki/List_of_Techniques
大量にあり。
『GURPS Dungeon Fantasy 11: Power-Ups』より。
『GURPS Dungeon Fantasy Denizens: Barbarians』より。
- 【大薙ぎ払い/種別】(難)(Greater Cleaving Strike) p.20
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