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tominosyou 2022年12月06日(火) 21:09:06履歴
有志による情報提供。(機械的処理のため、誤字脱字を含む可能性大)
“動物”とは、たとえばサイやトラといった、知性を持たない自然の生き物を指します。“モンスター”とは、空想上や自然には存在しない生き物で――ドラゴンのように知性を持つものや、肉食のスライムといった知性を持たないものまで含めて―文明性に欠けるものを指します。いずれも“キャラクター”と見なされ、人間との違いを示す種族ごとのテンプレートがあります(第15章「テンプレートの作成」を参照)。
動物は通常、知性を持たず、技能もさしてありません。モンスターはほとんどの場合、PCの敵とされるため、モンスターを完全に肉づけしたキャラクターとして作成する必要はありません。GMがこうした生き物を動かす場合、その種族のテンプレートをそのまま参照するだけでかまいません――単なる敵として登場させるだけなら、戦闘に関わる数値を書きとめておくだけでよいでしょう。
しかし、動物やモンスターをPCとして扱う場合、完全な数値が必要になります。またGMも、完全に具体化したキャラクターとして、動物やモンスターのNPCを作りたくなる場合があるでしょう。これが単なる“狼”と“村を脅かす、用心深い年老いた狼”の差になります!
目次
- 第16章 動物とモンスター(ANIMALS AND MONSTERS)
- 一般的な動物(COMMON ANIMALS)
- ペットおよび調教された動物(PETS AND TRAINED ANIMALS)
- 動物の調教(ANIMAL TRAINING)
- 乗用動物と荷役動物(RIDING AND DRAFT ANIMALS)
- ファンタジー世界のモンスター(FANTASY MONSTERS)
- 戦闘での動物(ANIMALS IN COMBAT)
[[犬>動物とモンスター#Dogs]]飼いならされている犬は狩猟用、もしくは愛玩用として利用されます(大きさが十分であれば、牽引用としても用いられます)。犬には多数の品種があり、そのデータもじつにさまざまです。価格はただ同然のものから$10000を超えるものまで多岐にわたります。健康でしつけの行き届いた犬であれば――例え雑種であっても一価格が200%を下回ることはありません。
[[動物の個性化>動物とモンスター#Individualizing_Animals]]この章で示された動物の能力値などは典型的な個体の値なので、GMはそれに縛られる必要はありません。動物は個体によって、さまざまな数値を持ちます!
- ヒットポイント:
- 最大20%程度の違いがあってもかまいません。大型の生き物については、とりわけ差が出るでしょう。
- 意志力:
- 高低どちらにも、1~2の差があってもかまいません。意志の強い生き物は頑固になりがちですが、簡単に逃げ出すこともありません――戦闘用の獣にとっては望ましく、ペットにはそれほど望まれません。
- 知覚力:
- 高低どちらにも、2以上の差がある場合は稀です。知覚力の高い狩猟動物は、非常に貴重です!
- 疲労点:
- 高低どちらにも、最大20%程度の違いがあってもかまいません。
- 速度と移動力:
- 多少の違いがあってもかまいません。馬などの乗用動物については、1点の差でも大きな価格差につながります。
[[動物の調教>動物とモンスター#ANIMAL_TRAINING]]動物を調教するには、<動物使役>技能の適切な専門分野を身につけていなければなりません(204ページ)。動物が覚えこめる訓練の内容は、その知力によって制限されます。
- 知力2: 平均的な爬虫類。誰が主人かを理解し、餌の合図をすれば寄ってきます。また主人を攻撃することもありません(通常は!)。
- 知力3: 平均的な馬や鷹。自分の働きにあった命令を聞くことができます(鷹なら狩り、乗用動物や荷役動物なら、人を乗せたり荷物を運んだりする命令)。主人に対して、あるいは人間全体に対して、危害を及ぼすこともありません(どちらにするかは、調教師の選択です)。自分の名前を理解し、呼ばれればやってきます(気が向けばですが)。
- 知力4: 平均的な犬。知力3の場合と同じですが、さらに動物の種類に応じて、「取ってこい」「攻撃しろ」「探せ」「座れ」などの命令が加わります。また、危険を感じとれば、それを主人に知らせようとします。主人のためには、命がけで戦うでしょう。
- 知力5: 平均的な猿。知力4の場合と同じですが、さらに複雑なこともこなせます。GMは「調教された動物がそうするのを映画で見たことがある」なら、それと同じような行動をとらせることができます。
調教に要する時間は、動物の知力と、調教自体の知力レベルによります(下記の表を参照)。この所要時間は、調教師が2時間ずつ2回に分けて1日に4時間、動物を調教するとした場合です。
435ページの表は、上に示した一般的なレベルまで動物を調教するのに必要な時間を示しています。何か特別な“技”を覚えさせようと思ったら(そしてGMがそれを認めた場合)、知力5の動物なら14日、知力4の動物なら30日、知力3の動物なら90日かかります。
動物の知力 | 調教の知力レベル | |||
---|---|---|---|---|
2 | 3 | 4 | 5 | |
2 | 60日 | 不可 | 不可 | 不可 |
3 | 30日 | 360日 | 不可 | 不可 |
4 | 7日 | 180日 | 360日 | 不可 |
5 | 2日 | 90日 | 180日 | 720日 |
[[調教された動物の価格>動物とモンスター#Value_of_Trained_Animals]]調教は、飼育動物の価格に次のような影響を与えます。
- 知力2の生き物は、価格を伸ばすほどのことは学べません。
- 知力3の生き物は、調教されないかぎり、あまり役に立ちません。知力3の飼育動物は、調教されていなければ、価格が3分の2になります。若い実験動物は自動的に調教されていないことになりますそのぶん価格が安いのです。
- 知力4の生き物は、買い入れるとき知力3相当の調教を受けているのが標準です(調教されていなければ、価格は3分の2)。知力4の調教が施されていれば、価格は基本の1.5倍になります。
- 知力5の生き物は知力4の場合と同じですが、知力5相当の調教が完全に施されていれば、価値は基本の2倍です。
通常より知力の高い飼育動物(「飼育動物」の共通性質を持つもの)が完全に調教されていれば、より高価になります。知力が通常より1点高いと4倍、2点高いと10倍になります。たとえば、知力5の馬は10倍です。
野性動物(「野生動物」の共通性質を持つもの)を捕まえて調教した場合は、価値が格段に上がります(特に、知的な動物や狂暴な動物はなおさらです)。具体的には、GMが判断します。野生動物を調教する場合、<動物使役>技能の判定にはすべて-5の修正がつきます。
[[戦闘用に調教された騎乗動物>動物とモンスター#War-Trained_Mounts]]戦闘用に調教された騎乗動物は、他の騎乗動物より価値があります。文明レベル3以下の世界では、こうした生き物はたとえ騎乗者がいなくても、戦場に飛びこんで果敢に戦うよう調教されます。調教を受けた軍馬なら、主人以外で自分に近づく者には、誰であっても攻撃を仕掛けるでしょう! 文明レベル4以上の世界では、こうした生き物は戦うためではなく、銃声や叫び声にも怯まない信頼できる移動手段になるよう調教されます。
戦闘時でも問題なく乗れるように騎乗動物を訓練するには、文明レベルに関係なく1年が必要です(知力3のレベルに調教する“基礎”訓練の後)。この訓練を施すことで、価値は2倍になります。「乗用動物と荷役動物」に載せられた騎馬と重装軍馬の能力および価格は、こうした訓練を受けたものとして扱われています。
戦闘用の調教は最長3年まで可能で、1年の訓練ごとに戦闘でのあらゆる<騎乗>および<動物使役>の判定に+1の修正を受けます。また、1年の訓練ごとに基本の価格も5割増しになっていきます。
[[馬・ロバ・ラバ>動物とモンスター#Donkeys_Horses_and_Mules]]これらの動物は有史以前からヨーロッパやアジアで飼いならされていました。アメリカに普及したのは15世紀後半から16世紀にかけてです。
[[動物の与えるダメージ>動物とモンスター#Damage_for_Animals]]獣が与える基本のダメージは、体力を基準にした「突き」ダメージです。17ページの「ダメージ表」を参照してください。次のような修正があります。
「噛みつき?」は「突き-1」のダメージを与えます。「噛む力が弱い」特徴は大型の草食動物に多く、ダメージのサイコロ1個につき-2されます。「噛みつき?」は、その生き物に「鋭い歯(切り)」や「牙(刺し)」がないかぎり、「叩き」ダメージになります。「爪」はパンチと同様で、「突きー1」のダメージを与えます。「鈍い爪」の特徴があればダメージのサイコロ1個につき+1し、「叩き」ダメージになります。「鋭い爪」にはボーナスはありませんが、「切り」ダメージになります。「キック」は「突き」そのままのダメージを与えます。「鈍い爪」や「蹄」の特徴があれば、ダメージのサイコロ1個につき+1し、「叩き」ダメージになります。「鋭い爪」にはボーナスはありませんが、「切り」ダメージになります。「四脚」の共通性質は「爬行姿勢」を含んでおり、「四脚」で「爪」のない生き物がキックする場合、ダメージのサイコロ1個につきー1されます。大型の草食動物なら、「蹄」による+1と相殺になります。
これら以外の攻撃のほとんど(角や牙など)は「攻撃部位」にあたります。こうした攻撃は「突き」そのままで、ダメージのサイコロ1個につき+1されます。ダメージの種類は、「攻撃部位」によります。
肉食動物や戦闘用に調教された動物は、しばしば敏捷力+2以上のレベルで<格闘>技能を持っています。この場合、ここで解説したどの攻撃であっても、基本の「突き」ダメージのサイコロ1個につき+1されます!
[[ファンタジー世界のモンスター>動物とモンスター#FANTASY_MONSTERS]]ファンタジーに登場するモンスターの例を挙げておきます。GMが名前を変更し、適当なナンバーをつけておけば、SFの背景世界でも同じように使うことができるでしょう!
子供のときに捕らえれば調教は可能です。しかし、<動物使役>には-3の修正を受けます。飼いならされてていない健康なグリフォンは5000Sで取引されます。もしも飼いならされていれば値段はつけられず、飼いならした人以外の言うことは聞きません。
体力:17;敏捷力:12;知力:5;生命力:12
意思:11;知覚:12;速度:6;よけ:10;移動力:6(地上)
サイズ修正:+1(大きさ2ヘクス);300kg
性質:「鋭敏視覚3レベル」「戦闘即応「防護点2レベル」「高速移動1レベル(空中の移動力24)」「翼による飛行(空中の移動力12)」「四脚」「鋭いくちばし」「鋭い爪」「野生動物」
技能:<格闘Lv14>
体力:5;敏捷力:15;知力:4;生命力:11
意思:10;知覚:10;速度:6.5;よけ:9;移動力:2(地上)
サイズ修正:-1;9kg
性質:「残忍(9)」「翼による飛行(空中の移動力12)」「暗視5レベル」「手がない」「ヴァンパイアの噛みつき」「野生動物」
技能:<格闘Lv17>
[[戦闘での動物>動物とモンスター#ANIMALS_IN_COMBAT]]動物をリアルにプレイするには、次の点を覚えておいてください。
●ほとんどの動物は人間を恐れ、戦うよりは逃げ出してしまいます。ただし、次のような場合は例外です。母親が子供を守る、昆虫の群れが巣を守る。年老いた、あるいは手負いの“人食い”動物。人間が危険だとわからないほど愚かな生き物。人間が脅威にならないほど強力な生き物。気が短いために、何にでも体当たりしてしまう大型の草食動物(バイソン、サイ、トリケラトプス)。
●健全な生態系であれば、捕食生物は比較的稀な存在で、捕食される種のほうが数は多く見られます。
動物の戦闘についても、人間と同じように第11〜13章(「戦闘」「上級戦闘」「特殊な戦闘の状況」)のルールを用います。大きなフィギュア(371ページ)や「踏みつけ」(383ページ)には、特別の注意が必要でしょう。他にも次のような点に注意してください。
- 射程: 獣による攻撃の射程は、特に記述のないかぎり“C(近接戦闘のみ)”です。ほとんどの動物はまずつかみかかるか体当たりし、それから近接戦闘にもちこんで、地面に引きずり倒したり、細切れに引き裂いてしまおうとします。
- 防御: 動物は「よけ」によって身を守るのが普通です。「よけ」は基本移動力+3で、端数は切り捨てます。ほとんどの動物は「手がない」(魚型、四脚、長虫状を含む)ので、「受け」を行なうことができません。マニピュレーターのある動物(猿など)は「受け」ができます。素手による「受け」は、敏捷力の半分+3あるいは格闘>技能の半分+3になります。自然の動物で「止め」を行なえるものはありません。多くの動物は「戦闘即応」を持っており、防御判定に+1の修正があります。
- 防具: 生き物の獣皮、甲殻、毛皮などには、その「性質」に示されているように防護点を持つ場合がよくあります。
[[群れによる攻撃>動物とモンスター#Swarm_Attacks]]小型の生き物の集団は攻撃する場合、ひとまとめにして扱われます。こうした集団は「群れ」と呼ばれます(戦闘マップ上では、1つの群れが1ヘクスを占めます)。群れは自分たちと同じヘクスにいる目標を攻撃します(戦闘マップを使っていない場合、群れは毎ターン1人のキャラクターを攻撃します)。何か特別の理由がない限り、群れは攻撃の目標を変更することはありません。
群れによる攻撃は自動的に命中します。命中判定や防御判定はありません。充分なダメージを与えるなどの手段で群れを散らさない限り、この攻撃は一定のダメージを与えます。
防具によっては(ウェットスーツ、養蜂家の防護服、文明レベルの高い気密性の防具)、群れ(種類によりますが)から身を守ることができます。昆虫などの小型の生き物に対して、衣服なら2ターン、低い文明レベルの鎧なら5ターンのあいだ、完全な防護効果があります。そのあとは、昆虫が中に入り込み、防護効果はなくなります。ネズミなどのやや大きな生き物に対しては、防具はいつまでも通常の防護点の効果があります。
群れの種類によっては、特殊な戦い方ができます。たとえば、蜂の群れなら、殺虫剤で殺したり、池に飛び込んで逃げのびることができます。これは、プレイヤーたちの知恵とGMの常識の問題です。
[[群れを攻撃する>動物とモンスター#Attacking_a_Swarm]]群れに対する攻撃は、自動的に命中します。群れの防御判定はありません(命中させるのが難しい生き物の群れについては、群れを散らすのにより多くのダメージが必要です)。群れがダメージを受けるときは、それ自体が集合体であるかのように扱います「無生物・均一・集合体へのダメージ」(359ページ)を参照してください。空を飛ぶ群れに対しては、盾を叩きつけて、1ターンに2点のダメージを与えることができます。武器と同時に用いることも可能です。
地面にいる生き物に対しては、踏みつけで1ターンに1点のダメージを与えることができ、これも武器と同時に用いることが可能です。
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